2003年5月


5月10日

ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔

The Lord of the Rings THE TWO TOWERS

監督:ピーター・ジャクソン
原作:J・R・R・トールキン
脚本:ピーター・ジャクソン/フラン・ウォルシュ/フィリッパ・ボウエン
撮影:アンドリュー・レスニー
音楽:ハワード・ショア
出演:イライジャ・ウッド/ショーン・アスティン/ヴィゴ・モーテンセン/リヴ・タイラー
製作年:2002年
鑑賞メディア:映画館(梅田ピカデリー)

さて、最近映画熱が再燃中なので、映画の部屋オープンしました。
一発目はこれ。
もともとファンタジーは僕にとって鬼門で、一作目もどこがどういいのかさっぱりわからなかったのだが、タダ券をもらったので見てみました。
いや……すまんかった! めちゃめちゃ面白いやんけ!
といっても、やはりご都合主義満載の設定やストーリーには共感できないのだが、とにかく画面と音の凄さで押し切られてしまいました。
「CGで出来へんことはないんじゃ!」と言わんばかりの大迫力。お気に入りは、えーと、名前忘れたけどあの木の精みたいなやつら。
あやつら、低い声で「わしらには関係ない」とか賢者ぶった口利いてたくせに、自分とこがやられると、とたんに感情的になって石をぶつけだすのが面白い。子どもか、おまえら!
あ、あと詳しい方に教えて欲しいのですが、この映画に出てるショーン・アスティン(サム)、ジョン・リス・ディヴィス(ギムリ)などは、他の作品で観たことがあるのですが、あの人たちってこんな小さい人(いわゆるこびと?)でしたっけ? CGかなんかで小さく見せてるようにも見えないし。どうなんだろう。謎だ。
しかしこれは家のテレビで見ると迫力半減どころか1/100くらいになるでしょうね。迷ってる方は映画館行ってみよう!
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5月10日

御法度


監督:大島渚
原作:司馬遼太郎
脚本:大島渚
撮影:栗田豊通
音楽:坂本龍一
衣装:ワダエミ
出演:ビートたけし/松田龍平/武田真治/浅野忠信
製作年:1999年
鑑賞メディア:HDDビデオ(衛星劇場録画)

新撰組に入隊した一人の美少年・加納惣三郎(松田龍平)。
小悪魔めいた彼により、隊に潜在していた「衆道」の空気が一気に顕在化してしまう。
隊員達は惣三郎を想い、誘い、嫉妬し、争う。
その空気を憂える土方歳三(ビートたけし)、近藤勇(崔洋一)も、彼を支配しようとしながら、逆に徐々に翻弄されてゆく。
新撰組を舞台にしながら、生臭い政治や謀略の話はほとんどなく、ただ隊士の日常が美しい撮影で綴られる。その妖しい雰囲気がたまらなく面白い!
松田龍平はかなりの大根だが、演出がよくて役にはまっています。
また、ワダエミデザインの新撰組の制服がめちゃめちゃかっこいい。この服着てみたいです。
崔洋一、トミーズ雅、藤原嘉明など門外漢の起用もいい効果。
たけしの抑えた演技、坂本龍一の静かな音楽も妖しさアップに一役買ってます。
これは面白かった。オススメです。


5月11日

忠臣蔵外伝 四谷怪談


監督:深作欣二
脚本:古田求/深作欣二
撮影:石原興
音楽:和田薫
出演:佐藤浩市/高岡早紀/荻野目慶子/津川雅彦
製作年:1994年
鑑賞メディア:HDDビデオ(WOWOW録画)

当時結構話題になったと思いますが、なぜか未見でした。
いやーなかなか馬鹿馬鹿しいお話。
忠臣蔵と四谷怪談が合体という一粒で二度おいしいというか、「恐怖!奇形人間」もびっくりというか、なんか凄い発想で笑えます。それとももともとこういう原典があるのかな?
ちょっと今ネットで調べましたが、もともと表裏一体の話であったようです。
伊右衛門も、そもそも赤穂の浪人みたいですね。いや知りませんでした。
しかし演出が相当ぶっ飛んでます。「いつかギラギラする日」から引き続いての荻野目慶子のキレキャラや、白塗り石橋蓮司と渡辺えり子の不気味さ、討ち入りで突如幽霊エスパーとして活躍する高岡早紀など見所は満載です。楽しめました。
あ、一応このことも触れておかないといけないかな、と思うので言っておきます。
すごいです、高岡早紀のおっぱい。


5月12日

ぼくんち


監督:阪本順治
原作:西原理恵子
脚本:宇野イサム
撮影:笠松則通
音楽:はじめにきよし
出演:観月ありさ/矢本悠馬/田中優貴/真木蔵人/鳳蘭
製作年:2003年
鑑賞メディア:映画館(梅田ガーデンシネマ)

待望の阪本順治最新作。とにかく好きな監督です。特に「どついたるねん」「鉄拳」「王手」の初期三部作はもう暗記するほど見ています。
前作「KT」がちょっと固い路線だった(これはこれでよかった)反動か、今回は見事に脱力してくれてます。
どこともしれん怪しげな島に蠢く怪しげな住民、こんなの撮らせたら阪本順治の独壇場です。
とにかく画面の隅々にまで小技が効いていてニヤニヤしてしまいます。
お気に入りは町の公共放送(「街中で放尿、放便は止めましょう〜」)と、むちゃくちゃなパチモン「新宿産コシヒカリ」。ぷぷぷ。
今田耕司、岸辺一徳、志賀勝などのキャラ立ても阪本ならでは!
そして結構シリアスになっていく後半、ほろりとさせるラスト、いやーいい映画でした。
DVD出たら買おうかな。
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5月14日

新・仁義の墓場


監督:三池崇史
原作:藤田五郎
脚本:武知鎮典
撮影:山本英夫
音楽:遠藤浩二
出演:岸谷五朗/美木良介/有森也実/山城新伍
製作年:2002年
鑑賞メディア:レンタルDVD

深作欣二・渡哲也コンビのの名作「仁義の墓場」の三池崇史・岸谷五朗によるリメイク。
はっきり言います。こんなくだらない映画に「仁義の墓場」なんて名乗って欲しくない。
普通面白くない映画でも、どこかに見所があるか、最悪、面白くないことが逆にプラスに作用して開き直って面白がれたりするのだが、これはどちらでもない。
とにかく面白くないだけの映画。マイナス要素だけを積み重ねて作ったようであり、そしてそれを一気にプラスに転化するパワーもケレンもなにもなし。
あーもう、これくらい酷評しても、まだ言いたりない。
最近見た三池作品「許されざる者」もたいがいつまらなかったが、この両作品に共通するのが脚本の武知鎮典なる人物。
何者ですか、この人? 盛り上がりもなんもない平板なドラマをだらだらと書いてるだけにしか見えんのですが。「才」というものがかけらすら見えません。
三池作品は「DEAD OR ALIVE」と「カタクリ家の幸福」でそれなりに評価していましたが、冷めましたね、かなり。
駄作を恐れずに量を撮りまくる姿勢は面白いと思っていましたが、やはり駄作はダメだ、という当たり前の事実がわかっただけでした。


5月18日

突入せよ! あさま山荘事件


監督:原田眞人
原作:佐々淳行
脚本:原田眞人
撮影:阪本善尚
音楽:村松崇継
出演:役所広司/宇崎竜童/天海祐希/藤田まこと
製作年:2002年
鑑賞メディア:HDDビデオ(WOWOW録画)

30年前のあさま山荘事件を、きっちり丁寧にドラマ化した作品。
連合赤軍関連にはうるさい僕ですが、特に不満もなく、いい感じで見ました。
というか徹頭徹尾警察の側からしか描いていないので、思想的にどうこうのお話ではないです。
やたらと多い警察側のキャラが多いですが、丁寧に書き分けられていて混乱しません。
際立っているのが役所広司のうまさ。
原田眞人もそつなくいいのが撮れるようになりましたねえ(偉そうだ)。
「ガンヘッド」のときはどうしてやろうかと思いましたが(笑)。
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5月18日

エロティックな関係


監督:若松孝二
原作:レイモン・マルロー
脚本:内田裕也/長谷部安春
撮影:長田勇市
音楽:大野克夫
出演:内田裕也/宮沢りえ/ビートたけし
製作年:1992年
鑑賞メディア:HDDビデオ(衛星劇場録画)

ずいぶんと久しぶりに見ました。
綺麗さっぱり忘れていたので初めて見るようなもんです。
パリを舞台にしたちょっと小洒落たサスペンス、というわりと安直な路線を狙っていて、ま、それは別にいいんだけど、それならなんで若松孝二&内田裕也というアナーキー&デストロイなコンビでやるんでしょうか。
ミスマッチが裏目に出た感じで、どうも内田裕也が窮屈そう(脚本も彼ですが)。
シナリオも弱く、展開見え見え。二時間ドラマかVシネのような感じです。
宮沢りえも、演出が良くなくて魅力があまり出ていません。
ところで、なんで内田裕也の役名が「篠山紀信」なの?


5月18日

サイン

SIGNS

監督:マイケル・ナイト・シャマラン
脚本:マイケル・ナイト・シャマラン
撮影:タク・フジモト
音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード
出演:メル・ギブソン/ホアキン・フェニックス/ローリー・カルキン/アビゲイル・ブレスリン
製作年:2002年
鑑賞メディア:レンタルDVD

実はシャマラン映画、初めてです。
割と面白く見ました。おそらく、この映画に関する情報も、シャマランに関するデータも何もない状態で見たから、ということが大きいでしょう。
具体的に言うと、世界観のレベル設定がわからない、ということです。
スーパーナチュラルな要素が当たり前のようにあるのか、それともすべては現実レベルに着地してしまうのか、その辺がまったくわからなかったために、後半は結構面白く見ました。
「宇宙人襲来!?」という派手なネタを扱いつつも、一家庭の日常レベルの描写を超えない、ひたすら閉じよう閉じようとする演出も気に入りました。
どこまでマジなのかわかりませんけどね。見方によってはかなり丁寧に作られたギャグ映画です。


5月18日

かあちゃん


監督:市川崑
原作:山本周五郎
脚本:和田夏十/竹山洋
撮影:五十畑幸勇
音楽:宇崎竜童
出演:岸惠子/原田龍二/うじきつよし
製作年:2001年
鑑賞メディア:HDDビデオ(WOWOW録画)

特に可もなく不可もなく。
息子の友人のために家族全員一丸となって三年間金を貯め続けるというビックリするほどストレートな人情話。
撮影が綺麗ですが、岸惠子は貧乏暮らしなのにいつもお化粧バッチリで不自然です。
テーマ的に、いろんなエピソードが「かあちゃん」に収束していくべきお話ですが、どうも散漫な印象です。
悪くないけど、テレビで充分じゃない? と思いました。正直。


5月22日

独立愚連隊


監督:岡本喜八
脚本:岡本喜八
撮影:逢沢譲
音楽:佐藤勝
出演:佐藤允/雪村いづみ/中谷一郎/三船敏郎/鶴田浩二
製作年:1959年
鑑賞メディア:HDDビデオ(衛星劇場録画)

久しぶりに見ました。岡本喜八全盛期の傑作。
黒澤明が江戸時代で西部劇をやったように、喜八は第二次大戦下の中国を舞台に痛快西部劇風無国籍アクションを作り上げた(あ、これ「用心棒」より前だな)。
今では戦争ネタでこんなおおらか過ぎる映画は撮れないでしょうね(笑)。
三船敏郎はキ○ガイ軍人だし(ストーリーにまるで絡まず)、鶴田浩二は「〜アルヨ」的しゃべりの中国人だし、無駄に豪華キャスト。
いちばんいいのは主役の佐藤允の「顔」。ほんとにいい面構えしてます。
雪村いづみもすげえ綺麗。
ラストはランボーもビックリの独立愚連隊数名による数百人の中国人大虐殺。おいおいおい!
しかし悲壮感はまるでなく、カラリと雄大な大陸の風景に溶け込んでます(いいのかな〜)。
いやはや、面白かった!


5月25日

キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン

Catch me if you can

監督:スティーブン・スピルバーグ
原作:フランク・W・アバグネイル
脚本:ジェフ・ネイサンソン
撮影:ヤヌス・カミンスキー
音楽:ジョン・ウィリアムス
出演:レオナルド・ディカプリオ/トム・ハンクス/クリストファー・ウォーケン/マーティン・シーン
製作年:2003年
鑑賞メディア:映画館(梅田ブルク7)

タダ券で見ました。
なんだかスピルバーグの映画を映画館で見るのは久しぶりな気がします。もしかして「ジュラシック・パーク」以来かな?
いや、これがなんというか…はっきり言ってつまらない
まず脚本がダメ。ドラマがまるで平板でメリハリがない。
演出も特にいいところが見えなくて、結局何がしたいのかさっぱりわからず。
ディカプリオ、ハンクスとたまたまスケジュールが合っちゃったのでとりあえずぱっと撮っちゃいました、て感じです。
残念。
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5月25日

傷だらけの天使


監督:阪本順治
脚本:丸山昇一
撮影:笠松則通
音楽:井上尭之
出演:豊川悦司/真木蔵人/原田知世/菅原文太
製作年:1997年
鑑賞メディア:レンタルビデオ

大好きな阪本作品なのになぜか未見でした。
「新・仁義なき戦い」のときにも思ったけど、なぜリメイク扱いしなければならないのかな。
ぜんぜん違う話だし、ケチな探偵コンビが出るというだけで「傷天」を名乗るのもなあ。
それでどれだけ集客効果があるのかも疑問だし。
往年の「傷天」を感じさせるものは井上尭之の音楽くらいです。
それはそれとして、ロードムービーとしてオーソドックスな仕上がりです。
阪本順治的ハジケはあまりなく、突如みちのくプロレスと絡んでトヨエツがマスクマンとしてリングに上がるとこくらいですか(笑)。
シナリオが阪本との相性があまりよくなかったんじゃないかと思います(シナリオ自体は悪くないです)。工藤栄一が生きてたらうってつけだったと思います。
しかし、最近見る邦画にことごとく宇崎竜童が出てくるのはなぜでしょうか。「あさま山荘」にも「エロティックな関係」にも「かあちゃん」にも出てました。なんか不気味。


5月25日

たそがれ清兵衛


監督:山田洋次
原作:藤沢周平
脚本:山田洋次/朝間義隆
撮影:長沼六男
音楽:富田勲
出演:真田広之/宮沢りえ/田中泯/小林稔侍/大杉漣
製作年:2002年
鑑賞メディア:DVD

発売日に速攻でDVDを買いました。
もうほんとになんなんでしょうか、このよさは。
ひたすら地味な地味な話なのに、何回でも見返したくなります。
全シーン、全カットに凛とした気品が張り詰めていて、どこを切り取っても涙が出そうになるほど美しいのです。
演出、シナリオ、美術、撮影、殺陣、それぞれプロ中のプロの職人が丁寧に仕事をすれば、傑作は自ずと出来上がるのだという、まさに映画のお手本。
リアリズムに徹することによって、むしろファンタジックなヒューマニズムが浮かび上がってきます。
宮沢りえが絶賛されていますが、ここは真田広之の抑えた演技に拍手です。それがまた殺陣の素晴らしさを生かしています。
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5月25日

スリ


監督:黒木和雄
脚本:真辺克彦/堤泰之/黒木和雄
撮影:川上皓市
音楽:村松禎三
出演:原田芳雄/風吹ジュン/真野きりな/柏原収史/石橋蓮司
製作年:2000年
鑑賞メディア:レンタルビデオ

黒木和雄はかなり好きな監督です。
作品自体がなかなかレンタルになくて未見の作品も多いのですが、「竜馬暗殺」「祭りの準備」「浪人街」の三本はもう大好きで、七十年代全共闘テイストを残した数少ない監督です。
で、これはその黒木和雄十年ぶりの監督作。
いやーいいです。アル中で仕事が出来なくなったスリ(原田芳雄)が、弟子入りした若者に技を伝授しつつ、みずからも復帰のためリハビリするというお話です。
黒木独特の七十年代的暗さが全編に漂って、この手の映画が大好きな僕としては浸りきって見てました。
原田芳雄はいいですね。こんなオヤジになりたいもんです。


5月30日

マイノリティ・リポート

Minority Report

監督:スティーブン・スピルバーグ
原作:フィリップ・K・ディック
脚本:スコット・フランク/ジョン・コーエン
撮影:ヤヌス・カミンスキー
音楽:ジョン・ウィリアムス
出演:トム・クルーズ/コリン・ファレル/サマンサ・モートン/マックス・フォン・シドー
製作年:2002年
鑑賞メディア:レンタルDVD

先日の「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」で、スピルバーグももうダメなのかなあ、と悲しくなりましたが、なんのなんのまだまだ彼のSFエンターテイメント魂は衰えず。面白かった!
原作がディックの短編(未読)ということで、どこまで忠実なのかよくわかりませんが、とにかくSF的アイデアとミステリ的プロットが見事に融合した傑作。
濡れ衣を着せられた男が、単身追っ手から逃れつつ真犯人を探すという、実に古典的なハードボイルドの骨格を用いながら、世界観、小道具による徹底した未来描写の凄さで見事に洗練されたかっこいい映画となっています。
「未来予知」を逆手に取った殺人トリック、クライマックスの二転三転するどんでん返しなど、ミステリマニアも納得。
スピルバーグの入魂っぷりが伝わってきました。そうそう、「キャッチ・ミー…」はそういう思い入れが伝わってこなかったんだよなあ。
やっぱりスピルバーグもオタクってことですか。まだまだ枯れたもんとか撮らずに遊んで欲しいものです。
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5月30日

魔界転生


監督:平山秀幸
原作:山田風太郎
脚本:奥寺佐渡子
撮影:柳島克巳
音楽:安川午朗
出演:窪塚洋介/麻生久美子/佐藤浩市/杉本哲太
製作年:2003年
鑑賞メディア:映画館(梅田ブルク7)

またもやタダ券です。
ご存知深作欣二監督、ジュリー主演の映画のリメイクです。
うん、まあまあですね。実は深作版のつまらなさには怒りを覚えたクチで、それと比較して、という意味でよかったです。
空から羽ばたいて降りてくるクボヅカを見たときには、「お、これちょっとおもしろいかも」と思いましたが、段々つまらなくなり、ラストでまたちょっとおもしろくなるという、まあ平均すれば中の上、という感じで冷静に見ました。
佐藤浩市の十兵衛はカッコイイのですが、どうも物語に対するモチベーションが低くて、感情移入しにくく、映画のテンションの低さにも通じてるように思います。
武蔵や荒木又右衛門など数々復活してくるキャラも、結局一対一で個別に動くだけなので物語自体のダイナミズムがクライマックスまでぶつ切りで続かないのも問題。
映像的にはわりと見所があるのに、ストーリーと有機的に絡んでないのがもったいないです。
「OUT」の時にも思いましたが、この平山秀幸という監督、力があるのに上手く撮りきれてないもどかしさがありますね。
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5月30日

ピンポン


監督:曽利文彦
原作:松本大洋
脚本:宮藤官九郎
撮影:佐光朗
音楽:真魚
出演:窪塚洋介/ARATA/中村獅童/夏木マリ/竹中直人
製作年:2002年
鑑賞メディア:DVD

一度映画館で見てます。DVDについてるメイキングが見たくて、友人に借りました。で、本編も再見。
まあまあおもしろいと思いますが、世間的に絶賛されているほどではないな、と。
竹中直人以外はキャスティングもいいし、脚本も手堅くまとめてます(竹中直人はいつもやりすぎで不快なのです)。
メイキングによると、宮藤官九郎は今回「(下手にいじらず)あえて原作に乗った」そうで、正しい選択だったと思います。
CGの多用も成功していておもしろい画づくりが出来ていますが、逆にそのオシャレ感が作品から熱気とパワーを奪っているような気がして、もったいなかったな。
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