英雄
英雄

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出演
リー・リンチェイ/ジェット・リー(李連杰)
トニー・レオン(梁朝偉)
マギー・チャン(張曼玉)
チャン・ツィイー(章子怡)
ドニー・イェン(甄子丹)
チェン・ダオミン(陳道明)
監督:チャン・イーモウ
2002年度作品


見る人の視点でこの作品の評価は大きく異なってしまうだろう。この「英雄」はいわゆるエンターテイメント作品ではなく、 “美”を追求した究極の芸術作品だと思う。

おそらくジェットのガチンコファイトや興奮しまくりのワイヤーアクションを期待して見にいった人には、退屈だったに ちがいない。

ジェットらのアクションは、この作品では“舞”。一つ一つの“舞”の最終目的が“死”ではなく、“美”を描くことに 集約されている。そして、その“舞”にはどこか“静寂”が常に存在するため、「スゲー!!」と観客が興奮できるはずも ない。

飛雪(マギー・チャン)と如月(チャン・ツィイー)の対決シーン。黄色の葉、飛雪と如月の赤の衣、そして黒髪。 絶妙のコントラスト!如月が飛雪の剣により刺されると、血が流れ、如月の命が絶えていくのを表現するかのように、 徐々に黄色の葉が、濃い赤に変化していく。これぞ映像美!!

赤、青、白・・と衣装とセットが変化していくが、それも人間の心を巧みに表現している。嫉妬、怒りを表した赤。 真実、正を表した青。汚れのない白。マギー・チャンのメイクも妖艶なメイクから、ほぼノーメイクの状態に 変化している。

同じ色の衣装でも一人一人の纏う色が微妙に異なっている。残剣(トニー・レオン)と飛雪が秦王を襲うシーンの緑の衣装 も残剣は濃い緑、飛雪は白の入った緑。このシーンでは布が美しい。宮殿内に垂らされた布が残剣と秦王の闘いにより、徐々に 切られていき、二人の対決が終わったと同時に床に落ちていく。

ボク的にタイトル「英雄」という文字は「HERO」ではなく「えいゆう」と読みたい。なぜなら、 「HERO」はいつも簡単に使われ、軽く感じてしまうから。「えいゆう」だと言葉の重みが全然違うと思う。

さあ、誰を「英雄」とすべきか。秦王暗殺のため、長年武術の訓練に励み、悲願だった秦王の10歩手前まで来たにも かかわらず、暗殺を諦めた無名。無名に暗殺を諦めさせた残剣。やがて中国を統一し天下を取った秦王。

ボクの答えは見つからなかった。登場人物ひとりひとりが“英雄”だとも思い、「残剣」が“英雄”だとも思ったし、 “英雄”なんていなかったのでは・・・とも思ってしまった。

と、ここまでは“にわか芸術好き”のボクが書いておりまして、いつもの“興奮好き”“アクション好き”“文句好き”のボクが これから書かせていただきます(笑)。

これね、ウォン・カーウァイが「楽園の瑕」を作った時にその出演者集めてジェフ・ラウが「大英雄」作っちゃったみたいに、 武術指導のチン・シウトンが監督やっちゃってアクション満載、ワイヤー満載、芸術無視バージョンの「英雄」を作って ほしかった!!(笑)ぜったいおもろかったはず!!マギー・チャンもドニー・イェンも出てるんだから、「ドラゴン・イン」 の続編でもいいけど。

せっかく秦王殺そうと言って、みんな強力してくれて、強い信念を持って、10歩手前まで来てるくせに、どっかの教祖トニー の“天下”という2文字に洗脳されて殺すのやめちゃったジェットってなんなん!?と言いたくなってしまう。「意味ないじゃーん!(笑)」

おまけにジェットは秦王、そして観客にまで“捏造昔ばなし”をしちゃう嘘つき男やんけー(笑)

あんだけ人民解放軍の軍人兵士役がおるんやから、ジェットも飛んでくる矢を剣でかわすだけじゃなくて、回転無影脚やったり、 9本の矢を一度にぶっ放して9本とも命中させちゃったり、赤い衣装きてるんやからニワトリの格好せーよー!(←わかる人には 簡単すぎるネタ(笑))あれだけの大軍をジェット一人で倒した暁には正式に“英雄”の文字をジェットに捧げましょう(笑)

ドニー・イェンは少ない登場だったけど、ドニーの18番“両足開脚キック”が見れてよかった!ジェットとの対決は、 「ワンチャイ天地大乱」以来の再対決だったので、かーなり期待してしまっただけに、もっと「うおーーー!!」と 思わせる展開にしてほしかった!!

“天下”を秦王に取ってほしいと言って無名は暗殺を諦めたわけだが、“天下”を取ることが無名が死を選んだ以上に 重要かと言われたらボクは疑問。そんなこといったら、今の地球に秦王みたいなのが一人おれば世界がみな平和になるって ことか?おまけに天下取った秦王の後だって、数々の民族が争って戦乱が続いたやんけ。天下を取る前には、当然、 ものすごい人が殺されるわけで、無名の親もそれで殺されたんじゃないの?それに 復讐を誓った信念と“天下”を比べて“天下”を選択する無名って、秦王から見れば「英雄」だけど、秦によって殺された 人にしたら、やっぱり“裏切り者”やろー。

ま、この作品は“芸術”見たいモードの時に、見るのがおすすめです。イライラしてる人、スカっとしたい人には 全く合いません(笑)

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