ジャッキー・チェン特集 VOL.4

ラッシュアワー

おすすめランク    

出演
クリス・タッカー
ジャッキー・チェン (成龍)
エリザベス・ペーニャ
トム・ウィルキンソン
チー・マ
マース(火星)
ロー・ワイコン (廬恵光)
監督:ブレット・ラトナー  1998年度作品

ボクがこの作品を見終わって、思ったこと。「これから、ジャッキーは大変だろうなあ...。」

みなさんは「ジャッキー・チェンと言えば?」と質問されたら、どう答えるだろうか?アクションスター?演技力のある俳優?コメディアン?言うまでもなく、アクションスターと答える人が多いと思う。この作品、もちろんジャッキーアクションは健在なのだが、「プロジェクトA」や「香港国際警察」を見たときに感じた「スゲー!」と思わせるシ−ンは全くなかったのである。「レッド・ブロンクス」あたりからの、壁をスススー!とよじ登ったり、高いところにぶらさがったり、道具を使ったコミカルアクションばかりで、見ていても「相変わらずやなー」と思ってしまったのである。観客はそれまで見た以上のモノを求めて映画館に行くのであって、以前に見たモノ以下のモノを見ても満足しない。心の中で「ジャッキーも歳だしなー」なんて思って、納得してしまうのである。

アメリカでジャッキーがスターになったのも、アメリカの観客が「レッド・ブロンクス」を見て、「ほんまにCGなしでこんなことしてるんかい!スゲースゲー!!」ってことで人気者になったわけだ。今回、ハリウッド資本で完全にハリウッドに進出したジャッキーだが、その第一弾のこの作品で、今までのアクションやスタントを抑制し、ドラマを重視してしまったことは、ちょーっとどうかなあと思う。

ジャッキーはずーっとアクションスターとして活躍してきたわけだが、ここにきてどうもアクションにハリがなくなってきた感じがする。ジャッキーも以前から、アクション映画もやりつつ、他のジャンルの作品にも出演しておけば、ここにきて選択肢が増えたかもしれない。ジャッキーがシリアスモノに挑戦した「新ポリスストーリー」が観客に受け入れてもらえなかったことを考えると、今までのジャッキースタイルがこれからのジャッキーにとって、大きな足かせになってしまうと思う。

やっと、ジャッキーは念願だったハリウッドに進出したわけだが、きっと観客は今まで以上にすごいアクションをジャッキーに期待してしまうだろう。それもジャッキーがこれまで貫いてきたCGを使わない、純粋のアクションを...。その観客の期待に応えることが出来なくなったとき、ジャッキーは大きな岐路にたたされることになるだろう。むしろ観客の意識が“ジャッキーアクションを見たい”のではなく、“ジャッキー自身を見に行きたい”にならなければ、これからのジャッキーは大変だと思う。

この作品、全米では公開3日間で3300万ドルを稼ぎ、9月公開の作品ではハリウッド史上ナンバーワンの大ヒットとなったアクションコメディである。こんなに大ヒットしたのも、ジャッキー人気もさることながら、共演のクリス・タッカー人気がすごかったからである。クリス・タッカーは現在、全米で最も人気のあるコメディアンで、ペラペラと早口でしゃべるのが人気者になった理由らしい。おそらく、アメリカの映画館は大爆笑の渦だっただろう。

日本の映画館、ボクが見たときはどうだったか!やはり言葉の壁はでかすぎる!観客が笑ったところといえば、クリスが目をまん丸にさせたり、ダンスしたりする“動作”の部分だけで、しかも「クスクス..」といったほのぼのとした笑いばかりなのである。クリス・タッカーのしゃべくりシーンでは、笑う人などほとんどいなかったのである。字幕監修をナイナイに頼んだところから考えて、配給会社も「いかに字幕で笑わすか」苦慮したのだろうが、笑えなかったなあ。一番爆笑していたのが、NGシーンだったってところがつらい...。

香港でのシーンがあるんだから、長年の香港映画ファンを喜ばすキャストにしてほしかった。そりゃ、久々にマース(火星)を見れたことはうれしかったけど、ちょっとしか出てこなかったし。中国領事のおっさん役のチー・マもハリウッド作の東洋人役専門の人らしく、あんまり見たことないし、どうせだったら“チー”を“ウー”に変えてウー・マ(午馬)に出演してほしかった。(笑)

誘拐される領事の娘、かわいくないのー。なんであんなに長く、車の中で歌ってるシーンを撮してるんだ?おまけに生意気な顔してジャッキー殴るなよー。

ストーリー展開が甘い!初めの時点で誰が黒幕なのかわかってしまって、その通りだったのである。

ラストも見せ場がなかった。高いところから落下するシーンもジャッキーじゃなかったし。やっぱり、ジャッキーと対等に戦える奴と1対1で死闘を繰り広げるという、ジャッキー映画の原点に立ち戻ってほしいなあ。「酔拳」みたいに修業するシーンまで要求しないけど、「九龍の眼」あたりまでの、ラストは強敵にぶつかるという設定がほしい。だって、「ラッシュアワー」を見て気づいた人も多いと思うが、ジャッキー対数人というシチュエーションで、ジャッキーは絶対に強くて、ロクに殴られもせず、敵はどんどんやられてしまうから、見ていても緊迫感がないのだ。仮面ライダーとショッカー戦闘員が戦っているんじゃないんだから...。

この十数年、ジャッキー映画を毎年、楽しみにしているボクとしては、この楽しみがなくなってしまわないことを切に願うのであった..。
飛龍猛將 (サイクロンZ)

おすすめランク    

出演
ジャッキー・チェン (成龍)
サモ・ハン・キンポー (洪金寶)
ユン・ピョウ (元彪)
ディニー・イップ (葉徳嫻)
ポーリン・ヤン
ユン・ワー (元華)
ベニー・ユキーデ
ビリー・チョウ (周比利)
ロイ・チャオ (喬宏)
フォン・ツイファン
タイ・ポー (太保)
ウー・フォン (胡楓)
ラム・ウェイ (林威)
ディック・ウェイ (狄威)
シン・フイ・オン (成奎安)
監督:サモ・ハン・キンポー (洪金寶)  1988年度作品

「スパルタンX」以来、5年ぶりにあのゴールデントリオが帰ってきた!!いやあ、やっぱりこの3人の共演作はほんと、おもしろい!このころのジャッキー作品はほんと、おもしろかったし、アクションもすごかったなあ...。

アクションシーンには、ボス役でも出演できそうなディック・ウェイやラム・ウェイがほんと他のスタントマンでもよさそうな役柄で出演していたのには驚いた。

ジャッキー、サモ・ハン、ユン・ピョウ3人の格闘は、今となってはかなり貴重な場面であろう。

ベニー・ユキーデ!あの顔だけでもなんか異様にコワイ!ベニー・ユキーデが麻薬を舐めながら、サモ・ハンを睨んでいるところなんて、心から「こわー!」って思ってしまった。

ベニー・ユキーデのキック力がすごい!あの巨体のサモ・ハンだけでなく、サモ・ハンを押さえていた連中10人くらいも一緒に吹っ飛ばしてる。

ユン・ピョウのアクションはやっぱり、かっこいいなあ。さんざんかっこよく闘っていたのに、ベニー・ユキーデに蹴られて、ほんとジャッキーに出番を譲るように、気絶してしまったユン・ピョウがかわいそうだった(笑)。

なんかユン・ピョウはこの作品でジャッキーのスタントもやったらしい。

ボス役のユン・ワーがかなりズルイ。ジャッキーとユキーデが対決しているところで、ジャッキーが後ろをむいた途端、蹴り飛ばしてすぐに逃げてる。映画館で見たときは香港の俳優なんてだーれも知らなかったから、「なんや、この細いおっさん、腹立つー!」とムカついたのを覚えている。

ラストのジャッキー・チェン対ベニー・ユキーデの闘いはほんとにすごい!ジャッキーが最後に勝つことはわかっているのだが、ジャッキーが鼻血を垂らしながらも「絶対、勝ってやる!お前なんかに負けはしない!!」っていう感じがすごく伝わってきて、自然と「ジャッキー、がんばれー!」って応援したくなる。映画を見ながらジャッキーが最後に勝ったときに「ヨッシャー!」って心でガッツポーズしてしまったくらいの闘いだった。こんな気分にさせてくれる作品をジャッキーにつくってほしいなあ...。

【ストーリー】
弁護士ジャッキー(ジャッキー・チェン)は、工場の汚水公害で養魚場の経営者に訴えられた企業から弁護を依頼される。依頼主の命令で、養魚場の経営者イップ(ディニー・イップ)を買収しなければならず、友人のウォン(サモ・ハン・キンポー)とトン(ユン・ピョウ)に協力してもらう。彼らは情報収集のため、イップに近づいていくが、ジャッキーは徐々にイップの姪のメイ(ポーリン・ヤン)に心惹かれていき、ウォンもイップのことが好きになっていく。ちょっとピントがずれているトンは、そんなこととも知らず、彼らの策略をバラしてしまい、ジャッキーもウォンも彼女たちに嫌われてしまう。イップを愛するウォンは彼女に許しを請い、トンと共に工場に潜入、工場で麻薬が精製されていたことを突き止める...!!



霹靂火 (デッド・ヒート)

おすすめランク    

出演
ジャッキー・チェン (成龍)
アニタ・ユン (袁詠儀)
マイケル・ウォン (王敏徳)
加山雄三
江黒真理衣
チュウ・ヤン (楚原)
ウォン・ジーワー (黄子華)
ユン・ケイ (元奎)
シン・フイ・オン (成奎安)
ロー・ワイコン (廬恵光)

監督:ゴードン・チャン
動作導演:サモ・ハン・キンポー (洪金寶)
飛車導演:フランキー・チェン (陳勲奇)  1995年度作品

ストーリーは、ある犯罪組織の黒幕で、レーサーである男を、自動車整備工のジャッキーが、カーチェイスの末、捕らえ、その男を警察は逮捕する。その男が以前、検問を突破したことをジャッキーが証言したため、ジャッキーは恨まれ、組織に狙われる。男は組織の協力により警察署で銃撃戦の末、脱走し、ジャッキーの家を破壊、ジャッキーの妹を連れ去ってしまう。男はジャッキーに日本の仙台でカーレースで勝負し、ジャッキーが勝てば、妹を返してやると脅す。ジャッキーは妹を助け出すため、レースに参加する決意をするのだった.....!!

車好きのジャッキーが、ついにカーレース映画を作ってしまったわけだが、まだ見ていない人は、ジャッキー映画と思って見ないほうがいいでしょう。ジャッキーアクションはメインではないから、カーレース映画にジャッキーが出演したって感じで見たほうがいいかもしれない。

製作費は2億香港ドル(約28億円)!香港映画の中でもトップクラスに入る製作費が注ぎ込まれた。まあ、レース場を借りるのに大半を使ったとは思うが..。

最近のジャッキー作品は、海外ロケが多くて香港の俳優がほっとんど出てこなくて、がっかりしていたが、この作品はストーリーのほとんどが香港を舞台にしていたので、シン・フイオンやユン・ケイ、ウォン・ジーワー(黄子華)なんかも出ていてうれしかった。

メインのカーレースシーンはなかなか見応えがあった。カースタント監督はフランキー・チェン (陳勲奇)。フランキーは、監督、プロデューサー、音楽としても数々の作品にかかわっており、日本にはなかなか入ってこないが、自ら監督、主演した作品がたーくさんある。彼が主演した作品には、カースタントシーンがたくさんあるので、この作品でカースタント監督したのも、彼のカースタント演出が高く評価されたからであろう。

警察署での銃撃戦は、「これがジャッキー作品?」って聞きたくはなったが、迫力があった。さすがにこのシーンではジャッキーは登場していなくて、まるでマイケル・ウォン主演の刑事アクションモノになっていた。このあたりもジャッキー作品にしては珍しいところだと思う。

ラストのレースシーンは、仙台のレース場が舞台なのだが、仙台とマレーシア、二箇所のレース場で撮影されたため、仙台のシーンは曇っていて、マレーシアのシーンは晴れているのであった。(笑)

パチンコ屋のアクション、なかなかジャッキーのアクションもすばやくて見応えがあった....と書きたかったのだが、ジャッキーと同じ衣装を着たジャッキーを演じている代役さんの動きがよかったと書かなければならないのであった..。遠めのシーン、後ろ向きのシーン、跳び蹴りシーン、スローで見るまでもなくジャッキーではないのである。まあ、このことは「ナイスガイ」を書いたときに触れたことなので、あんまり言わないことにしたかったのだが、「ナイスガイ」を書いたときに譲歩した部分が実は事実ではなかったことが発覚したのである。「レッド・ブロンクス」のビルからビルへのジャンプシーンはジャッキー本人と信じていたのだが、実は監督のスタンリー・トンがやったらしいのである。あああー!ボクの中のジャッキー神話が崩れていく...!!(笑)


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