ジャッキー・チェン特集 VOL.5

カンニング・モンキー 天中拳

おすすめランク    

原題:一招半式闖江湖
出演
ジャッキー・チェン (成龍)
ディーン・セキ(石天)
ジェームズ・ティエン (田俊)
ウー・マ (午馬)
監督:チェン・シーホア  1978年度作品

【感想などなど】
この作品はジャッキーが1979年公開の「酔拳」で日本でも人気が爆発したため、それまで日本では公開されなかったジャッキー作品の中の一つである。78年製作だが、日本公開は1983年で、その間に「ヤングマスター」「キャノンボール」などがすでに公開されていて、いわゆる“拳”シリーズの中でも公開は遅いほうである。

ストーリーは、何をやっても半人前の青年コウ(ジャッキー・チェン)が、秘薬「活人丸」と「反魂丹」の争奪をめぐる善悪入り乱れた争いの中で、一人前のクンフー使いになっていくという、当時の相変わらずのワンパターンストーリー。

この当時の作品でよくあることだが、日本公開時の字幕が勝手にセリフを変えてしまうことが多い。ジャッキーが屋台で男二人と会話するシーン。いきなり字幕が関西弁になってジャッキーが「あんたらオール阪神・巨人さん?」とかいったり、「笑っていいとも」が始まった頃だと思うが、両手を上にあげる拳法の名前が“友達の輪拳”だったり。いいのか、こんなんで...。最近、この作品もビデオで再発売されているから、それでは全く違う字幕がついている可能性が高い。

この当時のパンフレットって、よくわからん文句が多すぎ!この天中拳のパンフレットでは1ページに大きく“「酔拳」よりもドキッハラッとしちゃうし、「蛇拳」なんかバキッ、ビシッ、ズンズンズン、「笑拳」なんかぐぉわはははだもんね。極めつけ、必笑座頭天中拳。”ズンズンズンってなんのことやねん。おまけに“ぐぉわははは”って、わざわざ小さく“ぉ”としたのは意味あるんか?(笑)

この当時、日本だけの主題歌が流行っていたようで、この作品も「カンニング・モンキー」というタイトルでSHYという聞いたこともない歌手(またはバンド)が歌っている。なんか、堺正章主演のドラマ「西遊記」の主題歌に似た感じの曲だなーと思っていた。で、調べてみると似ていて当たり前。作曲タケカワユキヒデ、編曲ミッキー吉野、要はゴダイゴがつくったわけ。で、この歌で今まで歌詞で何を言っているかわからん部分があった。♪カンニング・モンキー、イヤ、ハッピーカンニングモンキー、イヤキカカカカカ、カンニング・モンキー♪の“イヤキカ・・・”が今までずーっと謎だった。で、パンフレットに歌詞が書いてあったので、判明した。“Ee ya ki ka ka ka ka ka”.........なんやそれ!意味ないやんけ!(笑)

この映画の見どころはパンフレットによると、劇中で見せるジャッキーの七変化だそうだ。ジャッキーが座頭市や剣士に変わって劇中、大暴れするかの如く書いていたのだが、そんなのがあったのはオープニングだけ。配給会社も劇中、見どころがあんまりないから、公開時、苦心したんやろうなあ...。でも、日本公開時の興行収入は「伊賀野カバ丸」(←ジャパンアクションクラブ総出演モノ!)と同時上映で10億円で、ユンファの「男たちの挽歌」は1億円。当時のジャッキー人気がうかがえる。


クレージーモンキー 笑拳

おすすめランク    

原題:笑拳快招
出演
ジャッキー・チェン (成龍)
ジェームズ・ティエン (田俊)
ヤン・サイクーン(任世官)
監督:ジャッキー・チェン (成龍)  1978年度作品


【ストーリー】
清朝末期の広東でクンフーの流派が政府の弾圧下にあった頃、中でも有名だった形意道場は政府派遣の殺し屋、エン(ヤン・サイクーン)に門弟を次々と殺されてしまう。

その頃、シンロン(ジャッキー・チェン)は、祖父(ジェームズ・ティエン)と山中にこもり、祖父からクンフーと勉学を学んでいた。祖父が病気がちだったため、シンロンは生活費と薬代を得るため、貧乏道場の用心棒を引き受ける。シンロンの留守中、祖父の元に突如、エンが襲撃し、祖父を殺してしまう。この祖父こそ、エンが探していた形意道場の道場主だったのだ。シンロンは復讐を誓い、祖父の親友の松葉杖の男から特訓をうけ、人間の喜怒哀楽を利用する秘技“笑拳”を会得、エンに対決を挑むのであった....。

【感想などなど】
ジャッキーが、初めて監督と主演を兼ねた作品。

ジャッキーの筋肉がすごい!ちぎれるんちゃうかー!というくらいの筋肉。そういえば、ジャッキーがここまで自分の肉体美を見せつけたのもめずらしい。

敵役のヤン・サイクーン(任世官)。90年代の古装片ブームの時にもたくさん悪役で出演していたけど、全くかわらんなあ。「笑拳」の時はまだ30歳台だったらしい。

この作品と「酔拳」「蛇拳」はジャッキーの「ヤングマスター」までのクンフー作品の中で、一番楽しめる作品だと思う。他の作品は、ただクンフーしているってだけだし、ストーリーも単純だし、それといった見せ場のないものも数多くあった。この作品後、日本では「龍拳」「少林寺木人拳」「蛇鶴八拳」「成龍拳」などなど、多くの作品が公開されたが、「笑拳」のような作品だと思って見に行って、がっかりして劇場を後にした人も多かっただろう。


ジャッキー・チェンの醒拳

おすすめランク    

原題:龍騰虎躍
出演
ジャッキー・チェン (成龍)
ウェイ・ティンチー (恵天賜)
ジェームズ・ティエン (田俊)
ヤン・サイクーン(任世官)

製作:ロー・ウェイ (羅維)
監督:チェン・ツァン  1983年度作品

【感想などなど】
ジャッキーは「クレージーモンキー・笑拳」まで製作者のロー・ウェイのプロダクションに所属していた。「笑拳」のヒット後、その続編を作ることになり、途中まで撮影されたが、ジャッキーがゴールデン・ハーベストに移籍してしまったため、ロー・ウェイが「笑拳」でカットされた部分、「拳精」など過去の作品の1シーン、新たに撮影した部分を継ぎはぎして完成させたのが、この作品である。

いやー、ある意味すごいわ、この作品。途中で、ジャッキーと父役のジェームス・ティエンが追っ手から身を守るため、変装をする。ジャッキーは赤っ鼻にヒゲを生やすのだが、その時点でジャッキーではなく、全く違う人が演じているのだ。すごいのは、こういった違う人が演じる場合、後ろ向きのシーンが多かったり、遠めから撮したシーンが多いのだが、まともに正面からうつっちゃってる。

ラストのジャッキーと恵天賜が敵と闘うシーンは、さすがに変装したシーンではないので、ジャッキーじゃない人が闘うときは、カメラの前に草を置いたりして、見えにくくしてるし、後ろ向き多発だし、恵天賜ばかり撮してるし、ジャッキーが正面でうつるシーンは「笑拳」のカット部分らしく画質が粗くなってるし、ヒドイヒドイ。

演じていた俳優さんが、撮影中に死んでしまって、代役使ったのならわかるけど、プロダクションがかわったからって、その後、代役使って映画を完成させて、公開してしまうとは...。おそらく、ロー・ウェイとジャッキーの間で大きな確執があったんだろうなあ...。ロー・ウェイにしてみれば、売れなくてオーストラリアに両親と移住していたジャッキーを呼び戻してスターにしてやったっていう意識はあっただろうし、ジャッキーが売れるように眼の整形手術や歯の矯正をするよう説得して、やらせたんだし。(笑)

ロー・ウェイは94年にもおそらくジャッキーは許可していないと思われる「天下無敵」という作品を製作する。この作品は、ジャッキーがロー・ウェイプロダクションに所属していた頃の古い作品を集め、ナレーションをいれ、「ジャッキーはすごい!!」っていうのをアピールしている作品。94年頃は「レッド・ブロンクス」が公開され、アメリカでもジャッキー人気が爆発した頃だから、ロー・ウェイは「わしがジャッキーを育てたんじゃー!わしがおらんかったら、今のジャッキーはないんや。すごいやろー!がっははは!」と一人さびしく自慢したかったのだろう(笑)。なお、この作品はビデオで「死闘伝説 ZERO!」というタイトルでレンタル発売されている。ナレーションは“ジャッキー声優”石丸博也さんがアドリブ爆発で担当している。

ジャッキーはこの「醒拳」を自分の出演作品とは認めていないらしく、その後の映画のパンフレットのフィルモグラフィーには載っていないことが多い。またこの作品はビデオでは「新クレージーモンキー・大笑拳」という、レンタルした人はがっかりしたと思われるタイトルで発売されていた。


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