カルマ
カルマ
おすすめランク B
原題:異度空間
出演
レスリー・チャン(張國榮)
カリーナ・ラム(林嘉欣)
レイ・チーホン/ウェイス・リー(李子雄)
ツイ・シュウケン(徐少強)
監督:ロー・チーリョン
2002年度作品
ホラー映画というものは、ボクが映画を見る際の選択肢の中にほとんど入らない(霊幻道士は別として(笑 ))。この作品も、
レスリーの遺作と言われながら、今まで“ホラー映画”ということで見ようと思わなかった。先日、地上波の深夜に放送されたので、
見ることにしたのだが・・・・。
正直、公開前の宣伝やビデオのパッケージ等に問題ありだと思ってしまった。ホラー好きの方にしたら、きっと物足りなかった
だろう。ボクは、「これはホラー映画か!?」と見終わった後、思ってしまったくらい、全く別のことで心に訴えてくるものが
あった。ここに載せた画像を選択する際、レスリーが「ギャーーー!!」って叫んでいるシーンを使ったら、完全にホラーと
思い込む方がいるだろうと思って、印象を変える画像にしてみました。ホラー映画には見えないでしょ?(笑)
そりゃ、幽霊もでてくるし、効果音等でビックリさせる演出もあるのだが、作品の根底にあるものは、過去に脳の奥深くに閉じ
込めたトラウマや、暗い出来事が、突然、湧き出てくるという精神面、心理面についてのこと。この作品を“ホラー映画”として
位置づけてしまうには、非常にもったいないと思った。
ただのホラーものであれば、展開が予想できてしまうのだが、過去の映像の伏線など、ストーリー展開もよくできているなと思った。
(いろいろ書きたいことはあるけど、こういう作品はバラしちゃいけないから、書きづらい・・・。)
ラスト、ビルの屋上でのシーンで、幽霊が最後に発したセリフで、救われ、解放された主人公。(←あえて言わない。)
めったに映画で泣かないボクだが、屋上でのシーンから理由もわからず、ポロポロと涙してしまっていた。
邦題の「カルマ(karma)」とは“業”という意味。身(身体)、口(言語)、意(心)の三つの行為
を“三業”と言い、“業”はそれらの行為が未来の苦楽の結果を導く働きをも意味する。邦題がこの作品の本質を
表している。
大家役のツイ・シュウケンが、カンフースターであったにもかかわらず、こういう役をやるようになってしまったか・・・と
思うと少しショックではあった。同じくレスリーの「流星」のティ・ロンもいい役だったけど、心の中で「アクションしてくれえ!」
と叫ぶボクがいるのであった(笑)。
この作品の役柄が、レスリーに実生活でもかなり影響を与えたと言われている。レスリーの心の奥にあったものを探ることは誰もできない。
ビルの屋上でのシーンは、「するな!」と言われても、レスリーの最期とダブってしまった。
この作品で改めて思ったことは、“思い込み”ってあまりしないほうがいいってことだ。この作品を見るか見ないか判断すること
でさえ、「これはただのホラー映画だ。」って思い込んで今まで見なくて、「早く見ればよかった。」って思ってしまったし。
ボクは先日、長年、「あやしいな・・。」「高そうだな・・・。」と思い込んで入らなかった中華料理店に初めて行ったのだが、
その料理が値段も安くて、絶品!!それから多くの知り合いを連れて行き好評だったのだが、これも勝手な思い込みで、今まで
ありきたりな料理しかださない店に行っていたことに損したな・・・と思った。
人にはそれぞれ、勝手に長年「あれはこうだ。」「あいつはこうだ。」「こうにちがいない。」などと思い込んでいることが、
たくさんあると思う。でも同じ物事を他人が考えたら、自分とは全く異なるのかもしれないし、実際はそうではないのかもしれない。
その思い込みを一旦、なくしてみたら新たな発見ができるのではないかと思った。
(2004.05.02)
TOP