ロミオ・マスト・ダイ

おすすめランク    

出演
ジェット・リー/リー・リンチェイ(李連杰)
アリーヤ
アイザイア・ワシントン
ラッセル・ウォン
デルロイ・リンドウ
フランソワーズ・イップ
監督:アンジェイ・バートコウィアク
2000年度作品
    
【感想などなど..】
リー・リンチェイ(ジェット・リー)、ハリウッド初主演作!

「“おすすめランクD”はそりゃないですよ...」と思われる方は多いと思いますが、リンチェイが悪いのではなくて、こういった作品に仕上げたスタッフに対して、そしてこの作品に対しての評価なので、お怒りをお静め下さいませ....。

いやー、最近、思うことだが、見た作品のほとんどが「前のあの作品のほうが、おもしろかったなあ..」なのである。見ている最中、見終わった後、背筋がゾクゾクして「スゲー!スゲー!」と感じる作品が皆無なのだ。この作品を見終わった後も「“ワンチャイ”の方がよかった。“フィストオブレジェンド”の方がよかった。」なのだ。なんでなのかなあ...。過去にたくさん映画を見すぎてきたからかもしれないが、いまだに過去に見た作品を越える作品に出会っていない。アクション映画の中ではジョン・ウー監督の「FACE/OFF」以来、出会っていないのだ。ボク的には、この「ロミオ・マスト・ダイ」も予告編を見て、期待して見に行ったが、「ダメだこりゃ。」だった。もうこうなったら7月公開の「ミッション・インポッシブル2」に賭けるしかない!!(ジョン・ウー様、期待を裏切らんといてね!)

では、この作品で気づいたことを相変わらずの長文で、ダラダラと書いてみましょう...。
この作品、2時間という時間の制約もあるかもしれないが、リンチェイファンが期待していること(特にボクが期待していること!)、常識的にストーリー上、重要な事がカットしすぎている。香港の刑務所から脱獄するシーンでも、リンチェイ主演だったら、警官との間で脱獄する際に激しいバトルが繰り広げられ、命からがら脱獄するだろうと期待していたが、難なく自転車でアクションもなく、脱走してしまってる。まあ、片足を縛られ逆さで宙吊りにされてのアクションはあったが、あれだけでは中途半端!やっぱり、“ショッカー戦闘員”のような“負けるとわかっていても立ち向かう”警察を次から次へと倒してくれないと...。

このあと、警察に追われることもなく、空港で捕まるでもなく、次のシーンでは“いきなり”アメリカに到着してしまってる。おいおい...、今までの作品では、かならず港に大きな貨物船があって、それに隠れながら乗り込んだりしてたんだから、国外逃亡がそんな簡単にできるわけないやんけー。この“いきなり”がジャッキーの「WHO AM I?」でもあった。リンチェイのような状態の中、ジャッキーも“いきなり”アフリカからアムステルダムになんの障壁もなく、行ってしまっていた。どうも、ボクはこういう「そりゃないだろー!」と突っ込んでしまうストーリー展開がイヤなのだ。意味のないリンチェイと黒人のアメフトシーンや“勘違いデブ”黒人のシーンなんていらんのだから、こういったところはきちんとストーリーの中に入れてほしい。“勘違いデブ”さんの存在はわずらわしかったなあ...。ああいう人ってけっこういるかもしれないが、見ていて「絶対、リンチェイにはかなわないわ...。」と思ってしまうので時間のムダ。もしあの“勘違いデブ”さんが、サモハンキンポーのようにとてつもなく強くて、ワイヤーでバック転キックとかリンチェイにかましてくれたら、この作品の評価は1ポイントあがったことだろう..。

そういえば、意味のないシーンといえばあと一つ。リンチェイとアリーヤがダンスをするシーン。このシーンを“意味あるシーン”にするんだったら、あの照れくさそうにしていたリンチェイが実はとてつもなくダンスがうまくて、クルクル回転やらクネクネダンスを次々と披露してくれないとあかんやんけー。はじめっから最後まで照れたおしだったやん。

リンチェイの弟が惨殺され、それを知ったリンチェイが、弟を殺したヤツに復讐するため、香港からアメリカにやってきて、混乱の中、リンチェイの父親も殺されてしまい、怒りに燃えたリンチェイが、最後の対決に挑むというストーリー展開がこれまでの基本パターンで、まあ、パターン的にはリンチェイの側にいたヤツが実は弟を殺していたって展開が多いと思い、そうなるだろうと思って見ていた。まあ、パターン通りに、リンチェイの父親の組織の部下が殺していたのだが、実は父親が弟がジャマということで、部下に殺させていたのだ。おいおい...。ふつうは何があっても親は子供が一番大事ってのが、基本だろう。こういうストーリー展開がパターンなのは、どの人間も家族が殺されたら、「コノヤロー!」って思うのが当たり前で、観客のそういった心の中にあるものが、映画の主人公とダブり、「リンチェイがんばれー!」になるはずだ。それが、「はい、父親が率先して弟を殺してましたよー!」だったら、観客の気持ちの高ぶりというか、怒りのはけ口がどこにもなくなり、見てても感情の起伏が全く起こらなくなってしまう。

さて、アクションシーンなのだが、たしかにリンチェイは相変わらず、すばらしいアクションを見せてくれているが、せっかくリンチェイが頑張っているのに、カメラワークが接近した撮影や、カメラを動かしたりしているので、見づらい見づらい。何やってるんだかわからんシーンが多すぎた。ハリウッドのアクション映画では、多くのカメラを使い、カットカットでつなぎ合わせてすごいアクションをしているようにみせるという撮影技法を多用することが多い。だがこの技法は、アクションのロクにできないスタントマン使いまくりのハリウッド偽アクションスターに対して使うべきであって、リンチェイに使うべきではない。リンチェイの体全体を撮した状態で、遠めからの撮影を多用すればリンチェイの凄さをもっと観客に伝えることができたと思う。

あと、あの見どころのひとつの“X−ray バイオレンス”はなんやねん。あれが映ったとき「なんじゃい、これは...。」とせっかくリンチェイアクションを楽しんでいる時に冷めてしまった。この“X−ray バイオレンス”が何かというと、レントゲン写真のように体が透けて、体内の骨が写し出され、骨が折れた瞬間、痛みが走る感覚を表現し、観客に伝えているそうだが........、伝わってない(笑)。ああいう技法なんかより、人々が考えただけで痛いと思わせる方がよっぽどいい。例えば、針を手の指と爪の間に入れるとか..(うおー!痛い!)。

あと、この作品の問題というか、ハリウッド映画の中国人が出演する作品で、いっつも不満に思っていることがある。もっと、脇役にも香港俳優を使いなさい!!リンチェイは「リーサル・ウェポン4」で世界的に人気者になったけれども、すでにアジア圏ではスターであったわけで、リンチェイの香港当時の主演作を見ている人はたーくさんいるのだ。ボクは刑務所のシーンでも舞台が香港だから、ボクの頭の中の“香港映画俳優別作品リスト”を検索しながら、探しまくっていたが、全然いなかった。まったく...、ユン・ピョウでもユン・ワーでもユン・ケイでも誰でもいいから、でてほしかった。この作品の武術指導だったユン・ケイ(コ−リー・ユァン)も、いつもだったら、なんだかんだとでしゃばり出演するのに、登場しなかったのでボク的には裏切られた気分だった(笑)。

まあ、この作品でリンチェイは確実にハリウッド真のアクションスターに登りつめたはずだから、今後の出演作に期待しましょう!

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