どうも、晴れた休日が恋しい、凡蔵です。

今回は、ワタクシが最も影響を受け、写真を撮り始めるキッカケとなった
写真家の桑原 甲子雄(くわばら きねお)先生のお話しを少々。

ワタクシと桑原先生の写真の出会いは、一冊のカメラ雑誌のでした。
クラシックカメラ専科という、古いカメラの専門誌で「ライカと東京」と
銘打たれた特集号でした。
何気なく手にとってパラパラと・・・   しかし!
そこに写し出された「戦前・戦後の東京」のスナップ写真は、今まで見てきた
東京の写真とは一線を画す、不思議な魅力のあるモノでした。

ドイツの伝統工芸品ともいうべきカメラ「ライカ」で撮られた戦前の東京の
写真のそれらは、日本が、あるいは日本人が失ってしまった場所や生活
などが鮮明に記録され、写真の中で「生きて」いるのである。
今にも動き出しそうな写真の数々。
行き交う人々。神社、商店街、路地裏、遊園地、地下鉄、駅、港、繁華街。
戯れる子供に、佇む老人、雑談する婦人に、座って寝ているおっさん・・・

これだ!自分の求めるモノ、撮りたかった写真は!

それからというもの、購入したその本を「食い入るように観た」ことは
言うまでも無い。
高めの写真集を買ったり、エッセイ集を読んだりして勉強しました。
しかし、これらの写真はワタクシはおろか桑原先生ですら二度と撮ることの
出来ないモノであるのです。過ぎ去り、失ってしまった、あの時間は戻って
来ないからです。だからこそ80年近く経った今でも生命力があるのです。
目指すはそんな「生きている写真」!を撮るために日々修行中・・・(^^;
写真撮影でスランプに陥った時などには、取り出してきて「観ます」。

それと同時に、桑原先生が愛用していたカメラ「ライカ」にも興味が湧き
ました。古い写真なのに、すごくクリアな写り!
「ライカ」が欲しい・・・  もちろん「ライカ」を買ったところで先生のように
撮れるワケではないのだが。欲しい。
さっそく、カメラ屋へ。
高い!
とても買えるモノではナイ!もはやカメラの値段ではナイ!!
よく「ライカはカメラであって、カメラでない」と言われるが、まさしく!
「ライカ」の価格なのだ!レンズ群も同様。工芸品だ(T-T;

やはりイイ写真を撮るのは、いいカメラを買うことの出来る選ばれし者なのか
いや、そんなことはナイ!写真は感性だ!ウデだ!心だ!
そして今日もミノルタやペンタックスを抱きしめ、東奔西走・・・

でも、ライカ欲しいな〜(^^;

話しは逸れたが、皆さんも桑原 甲子雄の写真を是非ご覧になって欲しい。
90歳近い現在も、天才・アラーキーこと荒木経惟とのコラボレーション
などでも活躍し、日本写真界の最長老として現役!
IT時代と言われる21世紀にこそ観て欲しい、いや観るべき写真がたくさん。
そこには時代の息吹きや、人のあたたかみが写っているのだから・・・

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