山行記  
   
田君川のバイカモ(梅花藻)
  昨年6月14日 例会で兵庫県新温泉町に流れる田君川に水面いっぱいに咲く梅花藻を見に
  行きました 。もう一度行ってみたい花・場所として、昨年の例会を振り返りました。
  兵庫県新温泉町に流れる田君川には4月〜8月にかけてバイカモ(梅花藻)が水面いっぱいに咲き
  誇ります。
 * バイカモ:キンポウげゲ科 [Rununcuius nipponicus]
   田君川にはおよそ30〜40年前から既にバイカモが川底に群生しており、子供達に『金魚草』の
   名で親しまれていました。バイカモはキンポウゲ科の水生植物で、川底に群生し川の流れに沿う
   ように育つ多年草です。水面に花が咲き、梅の花に似た五弁の白い花をつけます。花の直径は
   1.5〜2cmと小さく、絨毯のように川一面に花をつけます。
   バイカモは湧き水の出る浅くて澄んだ川を好み、水温が15°C前後の冷水域でないと成長しませ
   ん。近年は生育に適した水域が減少しているため全国的に全滅が心配されているなかで、田君川
   のバイカモは地域の人に守られて年々繁殖しています。
   
 全国的に珍しいバイカモの群生 
 河口から約4km、標高わずか10数mの水域
 に群生しています。バイカモは水温の上がら
 ない高山に生息するのが特徴ですが、田君川
 のような地域条件(低地で、七釜温泉と浜坂
 温泉の源泉に近い)に咲いているのが学術的
 に非常に珍しくて貴重であると評価されてい
 ます。冷水を好むため、本州西南部の生息
 地は河川の上流や湧き水のある水域に限
 られています。
 
   
 バイカモの見頃は
  バイカモは4月〜8月にかけて咲きますが、
  開花時期は気温や水温が大きく影響します
  今年は気温が低かったため、開花が少し
  遅れましたが、5月にはいり気温が高くなり
  水量も適量であったため、5月初旬頃から
  咲き始めました。
   
     
 
     
 
 
     
      
   
   
         
  バイカモ群落の保護活動 
  田君川は数年前までバイカモが見えなくなるほど葦が一面に生え、バイカモの繁殖を抑制していました。
  平成8年からバイカモの復元のため、兵庫県が河川環境整備事業に取り組み、平成12年に葦を取り
  除く河川工事を行い、河床を整備しました。河床整備で葦を除去したのをきっかけに、流域の田君地区
  住民で『田君川バイカモ保存会』を発足し絶滅寸前だったバイカモの保護活動をスタートしました。
  今では川幅いっぱいに繁殖し、満開時には川一面にバイカモの花が見られるようになりました。
  谷橋を中心とする区間は夏でも水量を確保できるよう30m間隔で堰を作り、堤防は訪れる人々が近く
  でバイカモが見られるよう整備されています。
 

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