"真実はいつも一つ"
自分でもこんな台詞をよく言えたなあと思っている。


Truth   真実



「もしもし、あっ・・・蘭?」
「もしかして新一だよね?」
「久しぶりだなあ。最近どうしてた?」
「元気だよ。それより、新一。大丈夫?心配してたんだから。」
「わりぃ。ちょっと、事件があって。」
「事件もいいけど、気をつけてよね。最近寒くなってきたし・・・。」
「わかった。あっ、ごめん。もう切らないとじゃあな。」
「えっ、ちょっと待ってよ。新一――!」
ガチャッ
公衆電話の前のもう一人の自分。

いつから「嘘つき」になったのだろうか?

事件だなんて言い訳。
ちゃんと蘭に、自分のことを伝えられないだけ。

江戸川コナン、偽者。そんな人物は存在しない。架空の人物。

蘭や灰原にもをついてる。
守れるはずもない約束をした。
どちらにもけじめをつけられていないはずなのに

「君だけが好きだ。」

なんて思わせ振りな態度も取った。


を重ね。小さなもしだいに広がっていく。


初めは、ただ美しいが透明な蜘蛛の糸に掛かったのだと思っていた。
しかし、今は違う。

いつの間にか自分が蜘蛛の巣に掛かっていた。
自由さえも束縛されて、
もがけばもがくほど絡まり自分の首を絞めていく。

だが、この言葉だけは嘘じゃないから、この感情だけは本当だから。
「好きだから、どちらも本当に愛しているから。」
信じて欲しい。


真実は一つではないことが真実であること。


蘭と灰原ならきっと分かってくれるだろう。


きっと・・・


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作者の感想
どうでしたか?
新一がもがいている所がポイントです。
この後の蘭と灰原と新一の関係に注目です。