ガンダム部屋
大井に捧ぐ…
ここは、我々の世代には一生つきまとうであろう「機動戦士ガンダム」についての部屋です。
2001年8月
8月8日
去年、およそ一ヶ月にわたって製作したプラモデル、パーフェクトグレード・ガンダム(以下PGガンダム)を公開します。
写真をクリックすると、大きな画像が出ます。
1/60スケール(ガンダムは18メートルなので、全高30cm)、定価12000円。
バンダイが長年培ってきたプラモ技術の粋を尽くして発売された。
さすれば、こちらもガンプラ時代に培った技術の粋を尽くして作るのが礼儀というもの。
とはいえ、少々ブランクあり。なにせ大学時代に少しだけ作ったとはいえ、本格的に作るのは中学生のとき以来である。
とにかく、まず機材から購入。塗料から筆から接着剤、耐水ペーパー(通称水やすり)、棒やすり、ニッパー、小皿、などなど。
そして今回、大きな面積を均一に塗装すべく、エアブラシを購入。要は任意のカラーをセットできるスプレーです。
機材費だけで10000円は使ったと思われる。これもすべてPGへの礼儀である。何ぞもったいないことがあろうか(いや、ない)。
さて、このモデルは、奥深いものでありながら、初心者でも比較的簡単に作れるようになっている。それは、完全色分け成型による塗装の不要という要因が大きい。
しかし、色を塗らずしてなんぞガンプラ人たりえようか。
まず僕は、サーフェイサーといわれる下地材を全面に吹き付けた。これはプラスチックの表面の細かい凹凸を均し、塗料の食いつきをよくするためのものである。
この時点ですべてのパーツは真っ白。イヤでも塗装しなければならなくなった。
そして、各パーツを本来の色に吹き付ける。僕はややくすんだ色が好みなので、やや暗めの色を選択。
そして、色が透けないように、乾くたびに上から同じ色を最低三回吹きつける。
内部メカは焼鉄色に。このつや消しぶりが潔くて大好きな色である。
このガンダムは、装甲板(表の白い部分すべて)を外して、フレームとして内部メカのみでも立つことが出来る。装甲板をつけてしまうと見えないようなところまでちゃんとメカがあるのである。その意気やよし!
なれば見えないところもすべて塗装しなければ。
内部メカには、先を切り落とした平筆に乾きかけの銀色をこすりつけ、焼鉄色の上から、軽く塗る。これにより、メカの角の部分に銀が残り、金属のハゲチョロ感が出るのである。
さらに装甲板全体には、エナメル系ラッカーの黒をシンナーで薄め、全体に塗布する。苛酷な使用による汚れの表現である。
なぜエナメル系かというと、これまでと同じ水溶性塗料では、下に塗った色が溶けてしまうからである。
こうしてガンダムは大地に立った。
なお、上記の文は永井一郎氏の声で読んでいただけると幸いである。
8月17日
さて、今回は僕の叔父の話を。
実は、叔父はイラストレーターとして、ガンダムシリーズのプラモデルの箱の絵を描いていたのである。
正確に言うと、参加したのはMSVシリーズからである。
これは、キット化できるものはすべて出し尽したにもかかわらず、以前衰えぬガンプラの人気沸騰振りに、バンダイが色々とサイドストーリーをひねり出し、そこに出てくるオリジナルメカ(モビルスーツ・バリエーション)を強引にキット化したシリーズである。
つまり、アニメ本編には登場しないメカ群であり、そのマニアックな設定が受け(「ジョニー・ライデン少佐機はその赤い機体からシャア専用機とよく間違われた」)、人気シリーズとなった。
このシリーズの口火を切ったモデルがMS-06RザクU(黒い三連星専用ザク)である。
本編に登場した黒い三連星(ガイア、オルテガ、マッシュ)が、本編登場以前に搭乗していた機体として設定されたザクであり、人気も高い。
叔父が描いたその箱の絵がこれである。
よく見て欲しい。「プラモデルの箱絵」としてこれがどれだけ画期的なものであるか。
それより以前には、とにかく箱の絵が中身を分かりやすく示していなければならないとされていた。正面、もしくは斜め前方から描き、キットに入っていないものを描くのはタブー。
ところが、叔父はこのザクを後ろ向きに描いてしまったのである。
たしかにこのザクの特徴はランドセルにあるのだが、プラモの箱絵としては、完全に掟破りである。
しかし、この瞬間を境に、「箱絵」が「ボックスアート」へと昇華した。
このあたりから、一つのアートとして注目されるようになり、箱の隅にはイラストレーターの名が記されるようになった。
この後、叔父は開田裕二氏や上田信氏らとボックスアート全盛期に最前線で活躍したのであった。
現在のCGボックスの味気ないことよ!
そういや、一度高荷義之(ミリタリーアートの世界的権威。タミヤの箱をよく描いてた)がガンダム描いたことがあって、あれは強烈にかっこよかったなあ。
2002年6月1日
鬼久しぶりの更新です。
ネタは、そう、これ。
ついに出ました一巻目。
もはや我々世代の原風景と化したあのテレビシリーズを、キャラクターデザインを手がけた安彦良和自らが本気で漫画化したという噂の作品です。
我々世代の男子の8割くらいの方には、一ページ目を開いただけで、あのBGMと永井一郎氏のナレーションが聞こえてくるでしょう。
荒唐無稽すぎるところなどをやや現代風にカスタマイズしながらも、「THE ORIGIN」という自信満々のタイトルに恥じない、マニアも納得の快作となっています。
それにしても、安彦良和の絵の上手さはすごいね。
しかしこのペースでいくといつ終わるのだろうか。
あ、でも帯によるとこれが連載されてる[ガンダムA(そういう雑誌があるのです)」は隔月刊誌ながら、この漫画は毎回100ページ載ってる(!)らしいので意外とゴンゴン進みそうだ。勢いで「Z」まで描いてくれんかな。
しかし毎回100ページ…。毎月ドラえもんを200ページ載せてた初期のコロコロ並だな(笑)。
ああ、二巻以降が待ち遠しいぞ!
こんなに嬉しいことはない…(もちろん古谷徹の声で)。
[トップへ戻る]