若いお母さん達から0歳児は、どのように相手をしたらいいのかわからないという話しを聞きますが、このことで、「赤ちゃん学を知っていますか」(新潮文庫)という本の中で、赤ちゃんの行動や脳機能からその言語処理の研究を進めている京都大学霊長類研究所の正高信男助教授は、次のように述べています。

「赤ちゃんに歌ったり絵本を読んであげましょう。赤ちゃんは、歌ったり読んであげることによって、音、リズムを記憶にとどめます。これは、非常に涙ぐましいレッスンです。赤ちゃんは自覚がなく、無意識です。ですから親は意識していろいろ教えてやろうとおもわず、赤ちゃんの興味をひくような童話を読んだり、童謡を繰り返し歌ってあげるのがいいんです。」

正高助教授の実験や観察から赤ちゃんたちは、耳で聞いたものを頭に記憶としてとどめ、それを模倣しながら言葉を獲得していくことがわかってきました。だから、まず聞くことが重要なのだといいます。聞いた記憶がないと、まねもできません。

「生後8ヶ月ごろの赤ちゃんが興味をひくような絵本などを見つけ、何度も繰り返し読んであげれば、記憶は自然に赤ちゃんにたまっていくのです。ただし、面倒くさがって、赤ちゃんにテレビを使ってはだめです。親がそばにいて、きちんと相手をしてあげないと効果がないのです。九官鳥でも、飼い主が相手をしてやることで、まねができるのですから。」

「赤ちゃんはいつも、親達が言葉を教えてくれる時の様子を見ています。親達の動作を見ながら、自分でも身ぶりし、なぞらえる形で言葉の意味を理解していくのです。」

このことからも、お母さんが、赤ちゃんをひざに抱いて絵本を読み聞かせてあげることがどんなに大切なことか、おわかりいただけると思います。

では、赤ちゃんが興味をもってくれそうな絵本をいくつかご紹介しましょう。

おつきさまこんばんは / うさこちゃんシリーズ / くだもの (福音館書店)

いない いない ばあ (童心社) / しろくまちゃんのほっとけーき (こぐま社)

ノンタン赤ちゃん版(偕成社)