霰
「アラレって言うのはなあ、餅を小さく切って焼いたやつでよ、それが空から降ってくる島があるんだってよ。
まあ、俺は行ったことはねえが、相当美味しいらいいぜ!」
「空から降る「あられ」って言うのは5ミリ未満の氷粒が降ってくる状態のことをいうのであって、食べ物が降ってくくるわけじゃないわよ!きっとその聞いた人に騙されたのよ、フランキーは!」
「あら。グランドラインの気候に先入観を持っては駄目だって、貴女いつも言ってるじゃない?」
「そりゃあ、そうだけど。これはなんか信憑性が乏しい・・・」
「でもさあ、そんな島が本当にあったらきっとその島の住人はきっと太り気味な人が多いだろうな。」
「チョッパーってばこの話聞いた感想がそれ?まあなんというかやはり医者よねえ〜。」
「だってさあ、その『アラレ』ってのは美味しいんだろう?オレ食べたことないもん、その『アラレ』っていうやつ。
ナミは食べたことあるのか?」
「あるわよ。あれって制限つけて食べないと、ついつい手が伸びて止まらなくなる悪魔の食べ物よ、あれは!だからチョッパーのその島の住人が太りすぎじゃ?っていう指摘はあながち間違ってないかもね。」
「食べてみたいなあ〜」
「じゃあサンジ君に作ってもらったら?まあでも今この船に餅を持ち込んでいるかどうかは解らないけどね。」
「餅次第って事か。でもサンジはアラレ知ってるのかな?」
「知らなくても彼のことですもの、図書室に各国のレシピ本を持ち込んでるから調べて作ってくれるはずよ。」
「そうだ、そうだよな、ロビン。」
「でも、どうせ空から降ってくるものならば私は霙のほうがいいな!」
「ミゾレ鍋?」
「ううん、氷の方よ。蜜のバリエーションもいっぱいできそうじゃない?
そうだ、サンジ君に、アラレもミゾレ氷もミゾレ鍋も作ってもらおうか?」
オレ様がチョッパーと世間話をしていたはずなのに、いつの間にか女性陣が話の主導権を奪い、そして話し相手をも連れ去って行った。
あとに残ったのは寂しく独り言を言うオレだけか?
ま、ここの女性陣に逆らう馬鹿は誰も居ない。サンジのようにあからさまに賞賛の嵐もどかと思うが、そのサンジを散々小馬鹿にしているゾロだって、なんだかんだいって尻にひかれてるというか上手く御せられてるというか。
そういう姿を見ているとまあ、その方がこの船の中のパワーバランスが保たれるんだなと思う。
まあチョッパーとこの話の続きをする機会はこれからいくらでもあるだろうしな。
などと思っていたらクルーはばらばらになり、オレはこのバルジモアに飛ばされた。
そして今はDrベガパンクの「兵器的」発明成果をひたすら吸収する日々だ。
この島がシャボンディ諸島からどれくらい離れているかはまだ把握できていないが、まあそれもその内おいおいとわかってくるだろうと、思ってる。
運命は自ずとやってくるものだ。
きっと約束に日が近づいたら、この場所もシャボンディ諸島への道筋もわかるようになるのだと思う。
それまでは己に課せられた課題を出来るだけ多くこなし、自分の物としなければならないのだから。
そうしていつもは脇目もふらずに設計図やら研究ノートを読み漁っているのに、あいつらとのこんな話を思い出したのはやはり外でふっている物のせいだろう。
オレ様らしくはないがちょっとメランコリーな気分になったので、この「霰」とやらを体で感じてみようと思って外に出た。
すると
・・・イテ
なんじゃこれは!
雪じゃねえ、だから霰に間違いないはずだ。
いやこれは、2センチいやだんだん降って来る氷粒が大きくなってくるぞ。
折角パワーアップモデルチェンジしたオレ様のナイスボディに氷の塊が突き刺さる!
・・・・・・・・・これが雹なんだろうな!5ミリ以上あるし。
オレは雹をも身を持って体験したというわけか。
さあ、研究室に戻って修繕修繕・・・
大人なフランキーは難しい・・・
