砂塵嵐
この記号を初めて目にした時、これは私のものだと思った。
私はあの砂の国でまた一つ絶望を味わった。
今度こそという思いがあったからか自分でも驚くほど落ち込みも激しく、あのまま崩れていく遺跡とともに自身も終えようと思っていたのに、嵐が私を新しい場所へと誘ってくれた。
砂を扱うのはあいつだったけれど、嵐を起こしたのはルフィだった。
そしてその嵐によって私はやっと友を得た。
その友は左腕に変わった刺青を施していた。
本人曰く、蜜柑と風車をデザインしたものらしい。その2つにとても思い入れがあるのだろ。
彼女のそれを説明した時の優しい顔は忘れられない。
故郷と自分とを結ぶパーツの一つなのだろう。私のそれは『知識』しかないので、そういったものを少し羨ましく感じたものだ。
そんな時たまたま見ていた天気の本でこの記号を見つけたときは少し驚いた。
友を思い出すデザインとそれが示す意味。
砂塵嵐によって私が得た友を示しているようにしか思えないその記号のことを私は誰にも、とりわけ彼女には言わずにいた。
これは少し秘密にして置きたい私の宝物となったからだ。
七武海、バーソロミューくまによって私たちはばらばらになった。
私は今、ルフィの父でもあった革命家ドラゴンに会うべく移動している最中だ。
そんな中これからの航路の説明を受ける時にあった天気図にその記号を見つけた。
「これは?」
「ああ、この島は砂の国で尚且つよく嵐が起こるので、この島は良くこの記号が用いられていますね。
でもこの島はわれわれがこれから通るこう路上にはありませんのでなんら心配いりません。
というか、この島は上陸しない限りその嵐に影響を受けることはないのですが。」
係員の説明を受けつつも心は別のことを考えていた。
まさか彼女がこの島に飛ばされている、ということはないとは思う。
しかしその地図の中だけでも彼女に会えた気がしてとても嬉しい気持ちになった。
来るべき日のために私は私が出来る限りの何かを吸収したい。
ドラゴンの傍に行って何が得られるか。それは未だ解らないけれど。
再び会った時に楽しく互いの苦労話ができるようにがんばらないと。
感傷に蓋をして私はまた真剣に説明を続ける係員に向き合った。
仕切りなおし一発目です。本当にこの記号は私にとってキセキです。
