雪
「ビビ様は雪を見たことがあるの?」
視察に訪れたある町で本来の目的を終え談笑していた時、ある女の子が尋ねてきた。
女の子は最近絵本で雪の話を読んで雪に興味を持ったらしい。
「私ね、降る雪は見たことがあるんだけど、積もった雪は見たことがないの。」
それはそうだろう。砂漠地帯で夜に温度が下がって雨が雪に変わって降る事は無い訳ではない。
しかし、積もるとなるとそれは難しい。
だからこそこの子はこの質問になったのだと思う。
「ええ、あるわよ。止むことがないと思える雪の中にいたことがあるから。そうそう
、雪の上に寝転んだこともあるわよ。」
「やっぱりビビ様は色んな事を知っているのね。ビビ様は冒険してきたって言ってたから、期待していたの!」
「そ、そう?」
「そう!だから、雪の事色々教えて。雪の上はどんな寝心地なの?」
昼間の会話は、私を久しぶりにあの時に思考を向かわせた。
あのドラム島での時間は私にとってキラキラ輝く思い出だ。
そう、雪の結晶のように。
王女ではなく、ただ海賊の一員で、仲間だった。
砂砂団の仲間とはまた違う、大事な大事な仲間。
あの頃と今、何が違うのか自分ではわからないけど、周囲は確実に変わってきている。
アラバスタは変わった。
依然栄えていた町も、寂れた町も、あの時以上の繁栄を見せている。
国民は皆、あの出来事を乗り越えて逞しい姿を見せてくれている。流石、我等がアラバスタ国民だ。
私も彼らと同じように成長できているだろうか。
彼らに恥じないような、王女で、為政者の一翼としていれているだろうか。
ルフィさんが起こしたあの事件以降、世界政府も少し変わったように思えてならない。こんな状況だからこそ、今度はあんなギリギリになる前に、国を正しい方向に舵をとらなくては、と思う。
「ほら〜!また肩に力入りすぎてるわよ!リラックスリラックス!」
頭の中からナミさんの声が聞こえてきた。
そう。私は麦藁海賊団に入って、力を抜くことを覚えたはずだ。
少しメランコリックになったり、ヒートアップした時は心の中でクルーと会話する。
また会う日まで。
いい加減ビビネタも書けなくなったかも?
