2002年8月
8月12日
謝罪します
著者:八尾恵
出版社:文藝春秋
発行:?
装丁:?
すみません、表紙をスキャンする前にうっかり図書館に返してしまいました。
革命にあこがれ、北朝鮮に渡った著者が、当時ハイジャックして亡命していた「よど号」赤軍メンバーの現地妻としてあてがわれ、その後各国でスパイ要員の拉致に関わっていた告白本(今はマインドコントロールが解けて日本にいる)。
北朝鮮という国家のメチャクチャ振りが伝わります。
「拉致」って書くと、いきなりクロロホルムとか嗅がされて車に放り込まれるようなイメージだが、かなり違います。よく思想調査して、友達になって上手く丸め込んで連れて行くわけです。
淡々と語る筆致はリアリティあるけど、実はあまり面白くなかったりします(笑)。
北朝鮮ネタはもう少し攻め込んで読んでみたいところです。
8月12日
新・トンデモ超常現象56の真相
著者:皆神龍太郎・志水一夫・加門正一
出版社:太田出版
発行:2001年8月3日
装丁:守先正+斉藤有紀
先月読んだ「トンデモ超常現象99の真相」の続編。
前作から洩れたトンデモネタをフォローしている。
「オリバー君」ってなんだったのか? → チンパンジーでした。
日本の漁船が捕獲した「ニューネッシー」の死体の正体は? → 腐った鮫の死体。
乗組員が忽然と消えた「メアリー・セレスト号」事件は? → 救命ボートで全員どっか行ってしまった。
などなど、巷間にもっともらしく伝わっている伝説の嘘っぷりをきちんとした資料をもとにバサバサ斬ってくれてます。
面白いです。こういうの大好き!
8月20日
誤報
新聞報道の死角
著者:後藤文康
出版社:岩波書店(岩波新書)
発行:1996年5月20日
装丁:?
岩波新書なんて映像貼っても面白くないですね。
図書館で何気なく手にとった本です。
松本サリン事件や、朝日新聞のサンゴ損傷やらせ事件など、誤報や意図的な虚報の実態を冷静に淡々と描く。
意外と面白かった。岩波新書なんて読んだの何冊目だろうか。
それにしてもこの本前に借りたヤツ! 図書館の本に線引いたりするな!
8月20日
ミイラはなぜ魅力的か
THE MUMMY CONGRESS
著者:ヘザー・プリングル
訳者:鈴木主税・東郷えりか
出版社:早川書房
発行:2002年5月20日
装丁:ハヤカワ・デザイン
世界各地に遺されたミイラ。その存在に魅入られた人々と、ミイラそのものの歴史や余話を詰め込んだ本。
「なぜ魅力的か」とかいきなり言われても興味ない人はほんとにどうでもいい本だろう。
その意味では、ミイラそのものより、もっと「ミイラに魅入られた人々」、つまりミイラオタクの人々をディープに紹介する本であって欲しかったな。
レーニンの亡骸を完璧に保存したスタッフの苦労や、中国の辺境で発見された数百体の白人のミイラなど、面白いネタは山ほどあるのに、読み物としてあまり面白くない。
翻訳が悪いのか原文が悪いのか。
8月27日
人間はどこまで耐えられるのか
THE SCIENCE OF SURVIVAL
著者:フランセス・アッシュクロフト
訳者:矢羽野薫
出版社:河出書房新社
発行:2002年5月20日
装丁:Rodeo
高さ、深さ、暑さ、寒さなどの極限状況では人間はどうなるのか、そしてどこまで耐えられるのか、をテーマにした非常に面白そうなネタのノンフィクション。装丁もイイ。
久々にヒットの予感!(なら買えよ)……でもやっぱりあまり面白くなかったのでした。
まあこっちが勝手に極限状況の人体実験を強引にやったレポートみたいに思ってたのも悪いんだけど、そうではなく、過去のさまざまな事例を基に極めて科学的且つ上品に人間の力を述べた本でありました。
最近ノンフィクションづいてました。そろそろフィクションの攻勢をかけます。
乞うご期待!ってほどでもないな。ま、ボチボチと。
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