2004年7月


7月10日

スチームボーイ


監督:大友克洋
脚本:大友克洋/村井さだゆき
作画監督:外丸達也
音楽:スティーブ・ジャブロンスキー
声の出演:鈴木杏/小西真奈美/中村嘉津雄/津嘉山正種
製作年:2004年
鑑賞メディア:試写会(IMPホール)

またまたまた試写会です。
えーと、前にどこかで書いたかもしれませんが、僕は大友克洋はマンガに映画的手法をきわめて効果的に取り入れた、という意味で革新的な作家なのであって、映画監督としての手腕はきわめてオーソドックスで突出した才能ではない、という認識を持っています。
だから、この映画、その意味でもうひとつ乗り切れなかったのですが、加えてもう一点、「なんでいま大友克洋がこんな二十年も前に流行ったような十九世紀スチームパンクSFやるの?」という疑問がずっとあってさらに萎えていました。
予告編を観ても、「これって…ラピュタじゃないの?」としか思えなかったし、でも映像はすごいかも、と思って見ました。
結論は、前半◎、後半△、全体で○って感じでしょうか。
映画としてはやはりきわめて堅実な演出で、それが後半のはじけ方にカタルシスが足りない要因じゃないかと思います。
でもやはり、ネタの古さが敗因でしょう。もう一つ、鈴木杏もダメダメでした。


7月22日

ミスティック・リバー

MYSTIC RIVER

監督:クリント・イーストウッド
原作:デニス・ルヘイン
脚本:ブライアン・ヘルゲランド
撮影:トム・スターン
音楽:クリント・イーストウッド
出演:ショーン・ペン/ティム・ロビンス/ケビン・ベーコン/ローレンス・フィッシュバーン/マーシャ・ゲイ・ハーデン
製作年:2003年
鑑賞メディア:レンタルDVD

傑作との呼び声高かったのですが、公開時に見逃してました。
たしかに。これは面白い。大好きです、こういう暗い話。
幼馴染みの三人が、殺人の容疑者、被害者の父、刑事、という立場で再会。
幼き日の出来事をもっとウエットに描くとか、成長した三人の距離をもっと近くとるとかすると、もっとわかりやすいお涙頂戴モノに出来たでしょうが、そこをそうしないのがイーストウッド節といえるでしょう。
とにかく抑制の効いた渋さに痺れます。
キャストもいい。ケビン・ベーコンがこんないい役者になるとは思いませんでした。
それにしてもショーン・ペンは年とったらなんかデ・ニーロにそっくりになってきましたね。
うん、なかなか満足です。


7月22日

スパイダーマン2

SPYDERMAN 2

監督:サム・ライミ
原作:スタン・リー/スティーブ・ディッコ
脚本:アルヴィン・サージェント
撮影:ビル・ポープ
音楽:ダニー・エルフマン
出演:トビー・マグワイア/キルスティン・ダンスト/ジェームズ・フランコ/アルフレッド・モリーナ
製作年:2004年
鑑賞メディア:映画館(梅田ブルク7)

前作が今ひとつノレなかったのですが、今回は傑作との噂を聞いて見ました。
うむむむむむ、まさに、これは傑作!メチャオモ!
ベタですが、「ヒーローの孤独」というテーマをこれ以上なくきっちり描いていて好印象です。
トビー・マグワイア、いくらなんでも地味すぎでは、と最初は思ってましたが、だいぶハマってきました。優しすぎる悩めるヒーローに感情移入しまくりです。
アクションシーンがもうすごいすごい。CG使いまくりなのはわかっててもすごいテンションで引っ張られます。特に列車のシーンが秀逸。
「1」をもう一度見てみる衝動に駆られました。評価が百八十度変わる可能性あり。
いや、節操のなさは責めないで…。


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