2004年12月


12月16日

オールド・ボーイ

OLD BOY

監督:パク・チャヌク
原作:土屋ガロン/嶺岸信明
脚本:ファン・チョユン/イム・チョンヒョン/パク・チャヌク
撮影:チョン・ジョンフン
音楽:チョ・ヨンウク
出演:チェ・ミンシク/ユ・ジテ/カン・ヘジョン/チ・デハン
製作年:2003年
鑑賞メディア:映画館(ナビオTOHOプレックス)

うわあああー見てしまったよ。ななななんという後味の悪い映画だ!
わけもわからず、突如拉致され、十五年間監禁され、また突如放り出された男。
誰が?なぜ? 真相を知るため、そして復讐のためにバイオレンスを撒き散らしながら男は突き進む。そしてあまりにも驚愕の真実。
こうやって書くとめっちゃ面白そうです。いや実際面白いんですよ。しかし、ラストのあまりのえぐさに打ちのめされて、軽〜く「このあとなに食おうかなー」とか考えてた俺の胃袋を収縮させてくれました。
映画館でも途中で気分が悪くなったのか出て行く女性がいましたね。それほどショッキングなお話です。
韓流ブームのひとつと勘違いしてきてしまったおばさんたちに一生残るトラウマを与えたんじゃないでしょうか。
いやあ凄い。こんな作品まで出てくるとは、今の韓国映画ってホントに凄い状況ですね。ある意味うらやましいです。
花くまゆうさく言うところの「俺たちの韓流」ですね(笑)。参りました!


  12月16日

ゴジラ FINAL WARS


監督:北村龍平
脚本:三村渉/桐山勲
撮影:古谷巧
音楽:キース・エマーソン
出演:松岡昌宏/菊川怜/ドン・フライ/ケイン・コスギ/北村一輝
製作年:2004年
鑑賞メディア:映画館(ナビオTOHOプレックス)

なんだかちょっと面白そうな匂いがしたので見てきました。ゴジラ映画を劇場で見るのは初めてです。ちなみに北村龍平作品も初めてです。
うーん、なかなか面白いじゃん。ゴジラにモスラにガイガン、エビラ、ラドン、アンギラス、ハリウッドゴジラ(ジラ)、果てはミニラに妖星ゴラス、轟天号にX星人と、とにかく逆さにして振り回しても鼻血もなんも出ないくらいの出血大サービスっぷりです。
といっても僕はゴジラは最初のと「ビオランテ」しか見てないので元ネタとかよくわからないんですが。
それらの怪獣バトルロイヤルに加え、とにかく映画的に「かっちょいい記号」に満ち満ちてます。どっかで見たシーンばっかだけど。
そういうパクリがいやな人はダメでしょうね。僕はわりと好意的に見れました。北村一輝がかっこよかったし。
北村龍平、プロレスとか格闘技好きなんですかね。恥ずかしいくらい出てきます。ゴジラがマウントパンチとか、M機関の訓練が金網オクタゴンのなかだとか(指揮官は船木!)、怪獣がやたらロープ(?)の反動を利用したフライング攻撃してきたりとか。
ドン・フライも格闘家のゲスト出演的なものかと思ったら・・・あの、これって主役なんじゃないですか(笑)?
しかしいかんせん長すぎる。30分切ったらかなりの傑作だったと思うのですが。
まあ、とにかく満腹でした。ゴジラの最後としてはこれでよかったんじゃないでしょうか。


12月23日

レディ・ジョーカー


監督:平山秀幸
原作:高村薫
脚本:鄭義信
撮影:柴崎幸三
音楽:?
出演:渡哲也/徳重聡/吉川晃司/菅野美穂/長塚京三
製作年:2004年
鑑賞メディア:映画館(梅田ブルク7)

うーーん、今ひとつでしたねえ。
スタッフの気合は伝わってくるし、役者陣もわりといいんだけど、なんというか、すべて小粒にしちゃったなあ。
原作をほとんど覚えてないのですが、そもそも事件の根幹となる部分の怨念というか情念がものすごく小さくなってしまっていて、これじゃ「レディ・ジョーカー」をやる意味がないでしょ。
「21世紀の裕次郎」徳重聡はかなりいい顔をしているが、表情に乏しくて大根。まるで感情が伝わってこないです。
なんというか、もったいない映画でした。


12月23日

カンフー・ハッスル

Kung Fu Hustle

監督:チャウ・シンチー
脚本:ツァン・カンチョン/ローラ・フオ/チャン・マンキョン
撮影:プーン・ハンサン
音楽:レイモンド・ウォン
出演:チャウ・シンチー/ユン・チウ/ユン・ワー/ブルース・リャン
製作年:2004年
鑑賞メディア:試写会(厚生年金会館大ホール)

なんなんですか、この映画は。
香港人以外は誰も知らないような往年のカンフースターを集めただけのチャウ・シンチーのオナニー映画?
ストーリー構成があまりにも雑で、主人公であるチャウ・シンチーが延々出てこなかったり、主眼がどこにあるのかまったくつかめない変な話。
そもそもこの主人公、最後以外まるで話に関係のない男だし。
ベタギャグもイマイチ。会場ではわりと受けてましたが、それほど笑えず。
でも個人的に一箇所だけ凄いツボのシーンがあって、周りは普通でしたが一人だけ笑いをこらえるのが必死でした。
往年の香港バカアクションを最新技術を駆使して、ってのはもう「少林サッカー」でやってるんだから、同じことしてもダメだし、大体その間にこっちは「マッハ!!!」という「本物」を見てしまってるんだから、CGでの大仰表現にはしらけるばかり。
チャウ・シンチーはどうもセンスがよくないですね。


12月29日

アップルシード


監督:荒牧伸志
原作:士郎政宗
脚本:半田はるか/上代務
音楽:Boom Boom Satellites
声の出演:小林愛/小杉十郎太/松岡由貴
製作年:2004年
鑑賞メディア:レンタルDVD

なかなか面白かった。
高校生のころ原作を読んでいて、膨大な情報量にさっぱりついていけなかったものですが、こんな話だったんですね。ようやく知りました(笑)。
というように、ある意味原作の最大の持ち味である混沌として複雑な世界観と物語をバッサリと切り捨てて、カッコいいアクション映画にしてしまいました。
エンターテインメントな映画化という方向性ではこれが正解だったと思います。
おかげでメカニックや戦闘シーンのかっこよさに没頭できました。
フルCGなのに、アニメ的な影のつけ方などを残す手法はいかにも過渡期な実験的手法ですが、見慣れないための違和感が大きく微妙。セルではありえないカメラ移動などは見ていて快感でしたが。全員目に生気がないのがちょっと怖い。
今年続いた漫画原作の映画化のなかではかなりよくできていたほうだと思います。


12月29日

メダリオン

THE MEDALLION

監督:ゴードン・チャン
脚本:アルフレッド・チョン/ゴードン・チャン/ポール・ホイーラー/ベネット・ジョシュア・ダヴリン/ベイ・ローガン
撮影:?
音楽:?
出演:ジャッキー・チェン/クレア・フォラーニ/リー・エヴァンス/ジョン・リス=ディヴィス
製作年:2003年
鑑賞メディア:レンタルDVD

待望のジャッキーin香港映画です。
以前にも書いた気がしますが、ハリウッドでのジャッキーは、俳優組合の保険などの関係でかなりアクションを制限されます。ジャッキーが一番うまくやれるのにスタントマンを使うとか。
で、数年おきにジャッキーは香港に戻り、たまった不満を無茶なアクションにぶつける、ということをしてくれるのです。これがたまらん。数年前の「アクシデンタル・スパイ」はそういう意味でヤケクソ・アクション炸裂の大傑作でした。
そういう感じを期待していましたが、ああーイマイチ。
前半も今ひとつのノリでしたが、後半なんと不思議なメダルでジャッキーが不死身の超人になっちゃうんです。
これはいけない。ジャッキーが超人になっても緊迫感がなくなるだけではないか。しかもワイヤーやCGが多く、生身アクションが少ない。
監督のセンスも古く、乗り切れない作品でした。残念!


[映画部屋トップへ]

[トップへ戻る]