古本探偵団(1930〜)

図1:冷却対策

  

AT飛行試験成績報告書

中島飛行機株式会社計画部(1937年4月発行)

内部資料です

商業刊行物として一般に販売された物ではなく、メーカーの内部資料です。この手の資料は普通世間に出ることはないし、そもそも終戦時に焼却処分されたことになっている物です。だから結構珍しい・・・多分私が持っている物だけがこの世に存在する物でしょう。とある古本市にてふと目について入手しました。ATっていうのはDC-2を参考に開発された、風防に特色のある輸送機です。軍だけでなく民間にも納入されたんですね。だからJ-BAOYという民間登録名が記されています。一般にはAT-2いうのが普通のようですが、この資料にはATとだけ記されています。本の作りは中島飛行機特注と思しき厚紙の表紙に青焼き資料を綴じた物で、日本航空輸送への機体納入用でしょう。通し番号がNo.1で署名が日本航空輸送の検査官(本中に関係者の一覧にある)のそれなので、それで焼却を逃れて残ったんでしょうね。内容はタイトルの通り飛行試験の結果がデータテーブルとグラフで示されているというもので、それ自体にはここで特に採り上げて面白いという物でないのですが、それ以外にエンジン過熱問題についての経緯が記述されています。当初対策としてエンジンにバッフルプレートを2種類装着してテストしたけど抜本的解決に至らずに、カウルフラップを付けて解決したそうです(図1)。ひょっとしてこのエピソードは本邦初公開か?AT-2についての大著が刊行されるときには外せないエピソードとなりそうです(出ればの話ですが)。しかし良くこんな物が残っていて私の所に転がり込んだものだ。縁という物を感じてしまいました。AT-2じゃなくて烈風のそれだったりしたらもっと注目を浴びるんだろうけどね(苦笑)。