皇國の護り
大阪朝日新聞社 1934年3月5日発行
付録だそうですが
詳細はわからないんですが大阪朝日新聞の大阪朝日新聞第18800号の付録だった(らしい)小冊子です。当時(昭和9年)の日本の兵器を写真で紹介するというものです。この頃はまだ日本政府も軍も温和(?)だったようでサービス良く写真が載せられていて、眺めていて結構楽しいです。順番的には昭和天皇(大元帥閣下)が先頭で次ページから軍の偉い人たちの写真が続いて、次にドーンと出るのが超弩級戦艦長門だ。時期的には新鋭艦というわけではなかったのだけど、40センチ砲を備えた日本自慢の戦艦だったようです。wikiによると速度が意図的に低く(23kt)公表されていたとのことですが、確かにそう書いてありますね。私的には一斉射撃の写真もいいけど人がアリのようにわらわらと群がってお化粧している様子が面白い(図1)。軍縮対応で無理して(?)20cm砲を載せた巡洋艦群には“巡洋艦の花形”と自慢げです(このあと第四艦隊事件が起きるのですが)。駆逐艦、潜水艦ときて航空母艦となるのですが、順番から察するに当時の空母の位置付けが見て取れますね。“現在の航空機の能力には一定の限度があり〜移動根拠地があったならば”というキャプションがあります。軍縮で余った船体があるしとりあえずやってみますか的なポジションだったようで、やっぱり戦艦が一番偉かったんだね。という訳で飛行機はというと、複葉の90式第1号飛行艇とか13式艦上攻撃機、90式艦上戦闘機などで、この頃の飛行機ってちょっと新鮮(図2)。
後半は陸軍のページで、水陸両用戦車(そんなのあったの!)とか右翼の街宣車みたいな装甲自動車とか重戦車(自称ですが本当に重戦車?)ありますが、私は戦車に詳しくないのでちょっと調べてみたんですがわかりませんでした(図3〜5)。
あとは細々したガジェットの紹介。照準算定具というので電気回路を用いているようなものが取り上げられているのですが、これってアナログコンピュータ? 他にも赤外線を利用した警備機とか思った以上にハイテクですね日本陸軍。一方でカメラ付きの伝書鳩(今ならドローンだね)や騎兵隊なども紹介されています。