大空への挑戦
航空ジャーナル社刊 1975年5月(980円)
ゲットだぜ
これは中学生の頃リアルタイムで買いました。中坊の小遣いでは980円は高かったけれど、思い切って購入。でも当たりだったな。タイトルが「大空への挑戦」だもの、面白くない訳がない。全盛期の航空ジャーナルの別冊であるからして当然とも言えるが、参加ライターすべてにどんな本を作るんだという意思疎通がしっかりと浸透していて、またそれに応えて気合いの入った原稿が集まっている。編集とはかくあるべしという見本ともいえる。藤田勝啓&中村浩美偉い!テーマはズバリ、ロマンだ。人類の歴史の中で、大空に挑戦するというのはとりわけ厳しい行為であると言える。1つ間違えたらいとも簡単に人の命を奪う。そんな危険と裏返しの栄光。高い目標をクリアする為の技術者の汗、未完成の機体を操るパイロットの勇気・・・そういうものを垣間見せてくれる話が詰まっている。一番ビビットきたのは疾風についての技術論(鳥飼鶴雄筆)。バカ中学生(当時)の私にどこ迄理解できたのかは遥か記憶の彼方。ただ、結果に至る迄の謎解きの面白さは伝わった。それが今に至る自分の指向となっている。それから少し脱線するけど、ごく限られた巷間で流布している疾風のプロペラ径が小さすぎるのではという批判は、此処が原典ではないか?閑話休題。内容的には陳腐化してどうのというものではないので、今読んでも面白い。若い衆にもおすすめです。古書店で見つけたら即・・・(リードに続く)。こんなサイトを作ることになった遥か昔のきっかけともいえる本です。