実写取材
かつて田宮模型ではポルシェのプラモを開発するのに実車を購入し分解して採寸したという。なかなか豪快な話で、好きなエピソードなのです。で私もやりました。いや、分解までは出来ないけど、巻き尺で寸法を測るは、コンターゲージで外形を採るは、挙げ句の果ては巨大ノギスを作って採寸するまでやっちゃいました。でも3次元の物体を図面化するのは思いの外難しい。学生時代に製図の課題で実際のコンロッドを図面化した経験があるのだけれど、これは数倍めんどくさいね。数年かかりました。そこまで図面にこだわるのは、私が腐っても工学部出だから。多分模型という物に対するアプローチに2つの道があるのではないか。美大で彫刻を習ったような人のやり方(美術的感覚を基にしたアプローチ)とあくまで対象を工業製品として捉えて図面から作るというやり方(工学的アプローチ)だ(ま、あくまで個人的意見ですが)。で、私は美的素養がないので極力図面を描いて感覚に頼る部分を少なくして、何とかゴールまでたどり着こうという魂胆な訳で。