2003年8月


8月6日

踊る大捜査線 The Movie2 レインボーブリッジを封鎖せよ!


監督:本広克行
脚本:君塚良一
撮影:藤石修
音楽:松本晃彦
出演:織田裕二/深津絵里/柳葉敏郎/ユースケ・サンタマリア/いかりや長介
製作年:2003年
鑑賞メディア:映画館(三番街シネマ)

はじめに言っておくと、僕はこの作品、パート1はおろか、テレビシリーズすら一度も観たことはありません。
今回も特に行くつもりはなかったのですが、映画の日に友人と出かけて、その友人が見たいといったので、まあいいか、と付き合ったのです。僕も丸くなったもんです。
で、これがねえ、なんというか、うーん、実を言うと、おもしろかったのです。
偏見が大きく混入していることは承知ですが、僕はテレビドラマというものがどうにも好きになれません。
安っぽい画面と、あざとい一過性の盛り上がりが気に入らないのです。
この映画もまた、一見そういう印象を持ちました。すでに育ちきったキャラに、きっちり役割を持たせ、メインキャラに感情移入させるためのわかりやすい悪役(真矢みき)を配置し、その場限りの安直な盛り上がりを作り上げる。
しかし、きっちりとそれを作り上げている技術が相当に凄いことだと認識したときに、考えを改めました。おもしろいやん、これ!
これがマーケットリサーチをし尽くしたテレビ軍団の凄いところなんだろうな。
客に媚びた上で客を引っ張るという一見矛盾した仕事をカンペキにこなしています。
こりゃテレビ見てた人はハマるわ。納得。
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8月6日

ターミネーター3

TERMINATOR3 RISE OF THE MACHINES

監督:ジョナサン・モストウ
脚本:ジョン・ブランケート/マイケル・フェリス
撮影:?
音楽:マルコ・ベルトラミ
出演:アーノルド・シュワルツェネッガー/ニック・スタール/クレア・デーンズ/クリスタナ・ローケン
製作年:2003年
鑑賞メディア:映画館(ナビオTOHOプレックス)

映画の日でハシゴしてきました。
さほど興味はなかったのですが、先月見た「U−571」が素晴らしかったので、この監督の新作ということで期待して見ました。
いや、しかしこれは…、つ、つまらないぞ…。
そもそもこのシリーズ、未来からタイムトラベルしてくる以上、失敗しても何度でもやり直せるんじゃないの? という致命的な欠陥がストーリーにあって、そのため回を重ねるごとに緊張感がなくなっていく宿命があります。
今回も、シュワが現れた日に、問答無用で「今日の六時から核戦争が起こる」とか言い放ってますが、ならもっと早く来いよ!って話でしょ? 来る日はいつでもいいんだから、一年位前に来て準備しとけっつーの。
そして、今回この映画でもっとも凄かったのが、皆思っているでしょうが、ジョン・コナーの「顔」(笑)。
前作でエドワード・ファーロングが演じた美少年の面影はどこへやら、成長したのは鼻の穴だけかよ! というくらい人類のリーダーにはとてもなれそうにないブサイクです。
いくらでもハンサムな役者はいるだろうに、よりにもよってこの人をキャスティングしたというある意味英断には敬服します。
シュワも、あんなちょっとゆがんだだけで大爆発するような不安定な電池を体内に入れてあるなんて、構造的にダメすぎ。
いっそすがすがしいくらい期待を裏切ってくれました。
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8月6日

光の雨


監督:高橋伴明
原作:立松和平
脚本:青島武
撮影:柴主高秀
音楽:梅林茂
出演:萩原聖人/裕木奈江/山本太郎/大杉漣
製作年:2001年
鑑賞メディア:HDDビデオ(衛星劇場録画)

劇場で一度見てます。これは好きな映画です。
「光の雨」という連合赤軍映画を撮ろうとする監督とスタッフ・キャストのパートと、その映画の内容パートとのメタ構造になっていて、それが全共闘世代(監督)の思いと、実際この事件など何も知らない若者達(裕木奈江など)とを繋ぐ、上手い構成になっています。
実は原作はまったく違っていて、近未来、老人になったかつての闘士が、若者に語って聞かせるというものでした。
この脚色は、実に上手いと思います。「脚色」とはこういうものなんだな、と素直に感動しました。
特筆すべきは裕木奈江。実に素晴らしい役者になりましたね。連合赤軍事件における永田洋子の役をやっているわけですが、実にいいです。こんな難しい役、そう簡単に出来ないよ。
暗い映画好きとして、近年の収穫でした。


8月13日

ユリョン


監督:ミン・ビョンチョン
脚本:チャン・ジュンファン/ポン・ジュノ/ク・ソンジュ/ミン・ビョンチョン
撮影:ホン・ギョンピョ
音楽:イ・ドンジュン
出演:チョン・ウソン/チェ・ミンス/ユン・ジュサン/チョン・ウンピョ
製作年:1999年
鑑賞メディア:レンタルDVD

韓国の潜水艦映画です。
韓国映画をみるのは「火山高」以来二作めかな。
まず、俳優の顔の区別がつきません。
特に今回潜水艦の乗組員ばかりで同じ年代の同じ格好の人が多くて参りました。
ただでさえ僕は顔の識別が苦手なのです。後半にいたっても主人公の顔がよくわかってませんでした。
ストーリーは、「沈黙の艦隊」の焼き直しみたいでイマイチです。
しかし、この人たち、思いっきり日本の潜水艦撃沈してますが、いいのか?
戦争やん!完全に。
というわけで、あまりおもしろくありませんでした。以上。


8月13日

20周年アニバーサリー 死霊のはらわた

EVIL DEAD 20th

監督:サム・ライミ
脚本:サム・ライミ
撮影:ティム・ファイロー
音楽:ジョセフ・ロデュカ
出演:ブルース・キャンベル/エレン・サンドワイズ/ベッツィー・ベイカー/ハル・デルリック
製作年:2002年(オリジナルは1982年)
鑑賞メディア:DVD

文字通り、あの名作「死霊のはらわた」の20周年記念DVDです。買いました。
ニュープリント、5.1chリミックスなどがなされており、サム・ライミ、ブルース・キャンベルらによる音声解説、NG集、ドキュメントなど特典満載。買わずにおれようか!
サム・ライミ二十二歳のデビュー作。今見ると、笑えますねー。特に坊ちゃん刈りのブルース・キャンベルが登場した瞬間なんか爆笑もんです。
メイキングもなかなかおもしろく、ゾンビと化してひたすらケタケタ笑っている女優さんが「もう疲れたわ」と愚痴いってるところとか、楽しいです。
「2」も欲しいのですが、どうも扱ってるメーカーが違うらしく、今は入手しにくいみたいですね。ちなみにこの「1」と「2」はまったく同じ話です(笑)。
「3」である「キャプテン・スーパーマーケット」は近々廉価版の再発があるようなので買う予定です。


8月13日

続 兵隊やくざ


監督:田中徳三
原作:有馬頼義
脚本:舟橋和郎
撮影:武田千吉郎
音楽:小杉太一郎
出演:勝新太郎/田村高廣/小山明子/須賀不二男
製作年:1965年
鑑賞メディア:HDDビデオ(衛星劇場録画)

「兵隊やくざ」の続編。前回ラストで脱走した勝新と田村が馬賊にでもなって暴れるのかと思いきや、あっさりつかまってあっさり軍に戻っちゃいました。
で、基本的に前作と同じ話が展開されます。
勝新が暴れて、田村が「甘やかしすぎやろ!」と突っ込みたくなるほど一生懸命それをとりなして、結局もう一回脱走、と。
笑えるほど同じ話ですが、このころの映画のシリーズってそういうもんなのでしょう。
続きがすでに録画してありますが、めんどくさくなってきたな(笑)。


8月22日

007 ダイ・アナザー・デイ

007 DIE ANOTHER DAY

監督:リー・タマホリ
脚本:ニール・パーヴィス/ロバート・ウェイド
撮影:デヴィッド・タッターソル
音楽:デヴィッド・アーノルド
出演:ピアース・ブロスナン/ハル・ベリー/トビー・スティーヴンス/リック・ユーン
製作年:2002年
鑑賞メディア:レンタルDVD

007のメチャクチャさにイチャモンつけても無意味なのはわかっているし、そこがいいという意見もあるだろうが、いくらなんでもこれはどうよ?
冒頭から「サーフィン」で北朝鮮に潜入するボンド(どこから乗ってきたの?)。
つかまったと思ったらあっというまに一年以上も経過して、その間拷問され続けていたボンド。
その他あまりにも端折りすぎて意味不明になってしまったプロット。
昔はこういうのをアホや!といいながら喜んでいたものだが、やるならもっと豪快にやってくれないと、細かい部分が気になるだけで乗れないです。
しかし監督のリー・タマホリって、なんか股間がむずむずする名前ですね。どうでもいいけど。


8月22日

トランスポーター

THE TRANSPORTER

監督:ルイ・レテリエ/コーリー・ユン
脚本:リュック・ベッソン
撮影:?
音楽:?
出演:ジェイソン・ステイサム/スー・チー/マット・シュルツ
製作年:2002年
鑑賞メディア:レンタルDVD

うん、なかなかよかったです。
フランスの軽いノリと、香港のバカなノリが上手く合体してます。
ひさびさに「ちゃんとしたB級映画」を見た感じ(矛盾?)。
正しいB級映画なので、見た端から忘れてしまいました。
それが正しい反応でしょう。以上。


8月22日

海は見ていた


監督:熊井啓
原作:山本周五郎
脚本:黒澤明
撮影:奥原一男
音楽:松村禎三
出演:清水美砂/遠野凪子/永瀬正敏/吉岡秀隆
製作年:2002年
鑑賞メディア:HDDビデオ(WOWOW録画)

「雨あがる」と同じく、黒澤明の遺稿脚本の映画化。
しかしどうもシナリオの完成度は低いです。
前半と後半がほとんど別の話か、というほどに分断されていて、なんともギクシャクしています。
人物描写も薄っぺらく、熊井啓にしてはリアリズムも足りず、クロサワに遠慮したのかな。
イマイチでした。残念。


8月22日

新 兵隊やくざ


監督:田中徳三
原作:有馬頼義
脚本:舟橋和郎
撮影:中川芳久
音楽:鏑木創
出演:勝新太郎/田村高廣/嵯峨三智子/成田三樹夫
製作年:1966年
鑑賞メディア:HDDビデオ(衛星劇場録画)

三作目です。このあたりでシリーズとして固まってきましたね。
勝と田村のキャラ分担がハッキリしてきていいノリです。
このころの映画のシリーズって、一話完結の連ドラやねんな。要するに。
映画館に連ドラ見に行くようなもんだったのでしょう。
そういう意味で、キャラとパターンが確立してしまうと強いです。
しかし勝新、いい役者ですねえ。
かえすがえすもクロサワ「影武者」の主役を降りたのが惜しまれます。
あ、来月は衛星劇場で「座頭市」シリーズ十八作品一挙放映やて!
楽しみです。


8月22日

極道恐怖大劇場 牛頭


監督:三池崇史
脚本:佐藤佐吉
撮影:田中一成
音楽:遠藤浩二
出演:曽根英樹/哀川翔/吉野きみ佳/石橋蓮司
製作年:2003年
鑑賞メディア:レンタルビデオ

三池崇史の新作は、意味不明のヤクザホラー映画(笑)。
犬を見ると「あれはヤクザを襲うためにしつけられたヤクザ犬だ!」とか、車を見ると「あれはヤクザをひき殺すためのヤクザカーだ!」とか頭が変になってしまったヤクザの哀川翔。
見かねた親分・石橋蓮司は部下の曽根英樹に、哀川を名古屋にある「ヤクザ処分場」(なんやそれ?)に連れて行くことを命じる。
しかしその途中で哀川が消えてしまい、曽根は旅館経営者の母乳おばさんや白塗りヤクザや金のジャージの間寛平などのシュールな世界に引きこまれ、やがて哀川は美女になって転生して現れる・・・ああもうわけわからん!
メチャクチャっぷりがまあまあおもしろいのだが、いかんせん長すぎる。三池作品はいつもそうで、あと三十分切れよ!と思うことがほとんど。
しかし丹波哲郎や加藤雅也や長門裕之やらがちょこちょこ出てきて無駄に豪華キャスト。つうか皆三池組常連か。


8月22日

もののけ姫


監督:宮崎駿
脚本:宮崎駿
音楽:久石譲
声の出演:松田洋司/石田ゆり子/田中裕子/美輪明宏
製作年:1997年
鑑賞メディア:レンタルDVD

ちょうどこの頃宮崎駿にあまり興味がなくなって、今の今まで未見でした。
うん、見ればやはりおもしろいですね。
しかし、みんな思ってるでしょうが、やはりこれは「ナウシカ」の焼き直しにしか見えません。
テーマ的にも、キャラ設定も、ここまで同じにしなくても、というくらい同じですな。
アシタカ=ナウシカ+アスベル、サン=ナウシカ+王蟲、エボシ=クシャナ(まんま!)、って感じ?
音楽は、たけし映画をやるようになってから久石譲が鼻につくようになってきたのですが、やはり宮崎作品においてはいいですね。
アシタカが、やむをえない場合はわりと躊躇なく人を殺していたのが偽善ぽくなくてお気に入りです。


8月31日

英雄 HERO


監督:チャン・イーモウ
脚本:チャン・イーモウ/リー・フェン
撮影:クリストファー・ドイル
音楽:タン・ドゥン
出演:ジェット・リー/トニー・レオン/マギー・チャン/チャン・ツィイー
製作年:2002年
鑑賞メディア:映画館(梅田ブルク)

チャン・イーモウという監督の作品は初めてです。
なんだかなあ・・・。あまりおもしろくないです。
「どう?どう?綺麗やろ?」と常に訴えかけてくるような押し付けがましい映像美が肌に合いません。
みんなすぐ泣くし。
中国人はいい意味でも悪い意味でも限度を知らないなあ、ということを改めて思いました。
節度あるところで止める、というのは日本人の美意識なのですかね。
少し寝てしまいました。


8月31日

男たちの挽歌

英雄本色

監督:ジョン・ウー
脚本:ジョン・ウー
撮影:黄永恒
音楽:ジョセフ・クー
出演:チョウ・ユンファ/ティ・ロン/レスリー・チャン/エミリー・チュウ
製作年:1986年
鑑賞メディア:HDDビデオ(NHK―BS2録画)

懐かしいなあ、もう十七年前ですか・・・。
従来の香港映画を覆すスタイリッシュなアクション・ハードボイルドとして、出てきた当初は熱狂したもんです。
今落ち着いて見ると、やはりやりすぎですね、香港人(笑)。
「どう、どう?かっこいいやろ?」とそりゃあもううるさい。
しかし、ジョン・ウーがここまでビッグになるとは誰が想像したでしょうか。
あ、ところでこの映画で台湾の刑事を演じてる役者って、ジョン・ウーやんな?
知ってる方教えてください。
香港映画はスタッフと役者が渾然一体となっててそのへんまるで自主映画です。
関係ないが、昔父とこの映画を見たときに、「(原題の)英雄本色ってどういう意味やろ?」と訊いたら、「英雄もホンマはスケベやねん」とか言われた。
嘘つくな!


8月31日

死霊のはらわた3 キャプテン・スーパーマーケット

ARMY OF DARKNESS

監督:サム・ライミ
脚本:サム・ライミ/アイヴァン・ライミ
撮影:ビル・ポープ
音楽:ジョセフ・ロデ゙ュカ/ダニー・エルフマン
出演:ブルース・キャンベル/エンベス・デイヴィッツ/マーカス・ギルバート/ブリジット・フォンダ
製作年:1992年
鑑賞メディア:DVD

DVD買いました(笑)。
確か公開当時は「キャプテン・スーパーマーケット」だけで、「死霊のはらわた」シリーズという売り方はしていなかったと思いますが、ダイレクトに話の繋がったバリバリ続編です。
サム・ライミがノリノリだったころですね。めちゃめちゃ楽しいです。
ブルース・キャンベルがもう最高です。今までそんなキャラでもなかっただろうに、急に傍若無人なチンピラキャラになってしまうのに、腹抱えて笑いました。
なんでおまえそんな知識や技術あるねん!と突っ込む間もなく一瞬で義手を作り上げたり、車のトランク開けたらめちゃめちゃ都合よく「基礎化学」とか「蒸気エンジン」とかの解説書が入ってるのもツボでした。
ちなみにラストはディレクターズカット版と、劇場公開版の二種類あるのですが、僕は劇場公開版派ですね。こっちのほうがバカ度高くて好印象です。
劇場公開のときの新聞広告の竹中直人のコメントを今でも覚えています。
「ブルース・キャンベル・・・生涯、わたしのライバルだ」


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