古本探偵団(1940〜)

図1

  

子供の科學

誠文堂新光社刊 1943年2月1日発行(50銭)

子供で科學ですが

 表紙は離艦する99式艦爆。今ではあり得ない(笑)。母艦の方はなんでしょうか? タイトルからするに年少者の科学への興味を満たすという編集方針の雑誌でしょう。読んでみても太陽の話(ただしどうして燃えているかという説明はない)とか引力の話(ただしどうして引力が発生するかという説明はない)とかその通りだと思うのですが、グラビアページの猛訓練にはげむ少年飛行兵というのは今の目で見るとちょっと浮いているというか、少なくとも科学ではない(笑)。はっきり言ってリクルート記事だよな。子供相手にも抜かりがない。昭和18年というと科学をテーマにしていても聖域ではなく戦争とは切り離せないものであったのだね。ただ私のようなものには熊谷陸軍飛行学校の様子がうかがえる写真が興味深い。赤とんぼ(93式中間練習機)の写真で尾翼マークが写ってるのは消し忘れたのでしょうか(図1)。←実戦部隊でなかったからいいみたいですね。
あと記事の中で、読んで知識を得るだけでなく実際に実験してみようとか模型を工作してみようという趣向のものが見られるのがいいね。送り手の良心というか科学の基本ですよ。ヂーゼル機関車の作り方なんてかなりハードルの高い工作という気がするが、うまくいってもいかなくても、当時の子供たちは頭と手を使ってとにかくやってみようというのがデフォルトだったようだ。