古本探偵団(1950〜)

図1:Mig15?

図2:音域研究機

図3:?な爆撃機

図4:Mig15

ポピュラサイエンス日本語版増刊 世界航空機の全貌

イヴニングスター社刊 1951年1月1日発行(150円)

ミグショック前後

1945年の終戦でいったん月刊のいわゆる航空雑誌は消滅したようなのですが、1952年の航空再開で一斉に航空雑誌が発刊したらしいんですね。ではその間にはどうしていたのかというと、科学系の雑誌の別冊という形で飛行機の雑誌が出ていたようなんです。でこの雑誌です。老舗のポピュラーサイエンスの日本側編集者が編集したこの雑誌、1951年1月というのがミソでして、朝鮮戦争でMig15がデビューする前なんですね。ということでまだMig15については(世間一般では)西側には知られていなかったのです。世間一般ではと注釈をつけたのは諜報機関ではそれなりに情報は得られていたんだろうし、ドイツの設計資料を入手したソ連の技術者がどんなものを作っているかは予想はできるわな。ということで、そんなこんなの情報をつなぎ合わせたソ連機のページが興味深い。結構自信たっぷりにイラストも多数載せられているのですが、図1は明らかにMig15だよね。名前は不明ということなのですが、主翼位置が低い以外はいい線いっているように思う。あとこれ(図2)はよくわかりません。ドイツのDFS-346を元にした音域研究機だそうですが明らかにジェットだし(DFS-346はロケット機)。まあいろいろ研究していたんでしょうね。イリューシンの4発ジェット爆撃機というこれ(図3)も興味深い。B-47と同時期にポッド式にエンジンを吊るしているのだ。これもまあ実在したのか分かりませんが。
 この本のほぼ1年後の1951年12月に出た「ポピュラサイエンス日本語版増刊 驚異の世界航空機」ではMig15の記事と図面(図4)が載っています。朝鮮戦争でデビューしたんですね。しっかり写真も撮られたようで、3面図は特に難しくいわなければ十分にMig15に見えます。記事によると“この戦闘機は操縦者さえ良ければ立派にこれ(注:アメリカのジェット戦闘機)と戦うことが出来ることを立証した”とのことです。もやっとした言い回しですが、これを訳すならばMig15に対しては手練のパイロットでないとヤバいぞ、敵が下手なパイロットばかりで助かったっていうことでしょう。ショックの程をなんとか取り繕ったように感じるのは穿ちすぎでしょうか?