航空時代
航空時代社刊 1935年7月号(50銭)
献納機の活躍
出かけた古本市で会場に入ってすぐに目に入ったこの本。買うしかないでしょう。いわばペットショップで子犬と目が合ったみたいなもんだ。で、編集方針は民間機に中心に採り上げるというものらしい(とりあえずこの号は)。戦前の日本ですよ! 自家用車を持つ人も稀だった時代に。採り上げられている機体もヴァルティ(多分V-1A)(図1)、フェアチャイルドC31、同22、同24、プーデシエル、マイルス・マーリン、エアスピード・エンボイなど民間機が殆どだ。今見るとみな趣のある機体だなあ。献納機(民間企業等が金を出して飛行機を買って軍に寄付するというもの)についての記事(パイロットの鼎談記事)が興味深い。金を出した一般人たちが興味あるのは、その飛行機の活躍でありましょう。戦争(満州事変)が一段落したからなのでしょうが、個々の機体について何処の戦闘でどんな戦闘を行いどのように失われたかというのを地名、個人名入りで歓談している(例えば愛国女学生号(図2)は古北口で冷却器をうたれて不時着したりしたが1000時間も飛行した等)。私の感想は・・・戦争が一段落したからってここ迄言うてええのーというものだ。戦勝気分で浮かれていたのか、おおらかだったのか。これから後の第二次世界大戦中の出版物だと、地名等は伏せ字になるのが普通です。でも機体名(88式軽爆)は一切語られていないというのはなんだかなー。追伸。ニュースの欄にあった英国軍用飛行界に一大革命を齎(もたら)すという飛行機“アルスの女”って何?アルプスの少女ならハイジだけどな。写真がないので分からない。 イギリス機マニアには有名な話なのかもしれないけど、寡聞にして私は知らない。有名な機の別名(愛称)なんでしょうか?ご存知の方は教えていただければ幸いです。