ポピュラ・サイエンス日本語版航空編第2編
イヴニングスター社刊 1949年2月発行(?円)
勿論啓蒙的な内容なのですが
すみません。入手した本が最後尾頁脱落のため定価は分かりませんでした。それはさておき雑誌の成り立ちからして翻訳記事が中心で啓蒙的な内容なのですが、知ったかぶりのつっこみをさせていただくと、空気との摩擦で機体が熱くなる云々という記述はいただけませんな。これ常識の嘘でありまして(えっへん)、空力加熱の主原因は摩擦ではなく気体分子の運動エネルギーが断熱圧縮により熱エネルギーに変わることです。時々テレビで工学系の大学の先生まで間違ったことを言ってたりするのは困ったものだが、なぜかアニメの「ガンダムOO」で正しく解説されていた。閑話休題。後半部分には当時の最新型のジェット機(XF-91etc.)から試作で終わった旧日本軍機(烈風(図1)、連山etc.)までの3面図がのっている。図面といっても簡単なものですが、旧日本軍機に関して言えば数年前まで名前も公開されていなかった機体ですから大きな目玉となったのでしょう。特に天雷(図2)なんてナセルストール対策の後縁拡大が描いてある渋さよ!私が入手した号ではないのですが、紫電の後部胴体にジェットを搭載した機体というのが掲載されていたらしい。勿論そんなものはない!のですが、これは都市伝説の類の話かなぁ。ふと思うのですが、当時この本を手にした人の多くが、本来の中心記事よりも、おそらく日本側編集者が追加したと思われる後半部分の旧日本軍機図面集に惹かれていたのではないだろうか?