フーファイター列伝/其の17

ロケット推進における「あすの航空機」

全翼機です。ロケットというのは噴流推進(つまりターボプロップを含むジェット)のことです。1940年頃に将来の航空機を予想しての記事(元ネタは「Flight」誌1941年10月号のジョフレイ・スミス氏の記事)で、老舗「Flight」誌だけにセンスが良くてちゃんと飛びそう。記事では後退翼が縦安定に寄与するとか、ダンの無尾翼機「プテロダクティル」はおろかリピッシュとかノースロップにまで言及していたり、よく調べています。ですが航空技術に於いて今と昔では考え方が違ってきていて、そこが予想が外れている点だ。このイラストはスリムな高速ガスタービン(ターボプロップ)を胴体(翼)の中にきれいに収容して抵抗を減らし性能を上げるというコンセプトですが、これは今日では受け入れられない。発火源となるエンジンをキャビンや構造や燃料タンクに隣接して置くことはまずいんですね。つまり昔は抵抗減>安全性だったのが今では抵抗減<安全性になったということで。ちなみに全翼機がステルス機に都合が良いなんてことはかけらも書いてありません(当たり前)。「航空朝日」1944年6月号より