1.ゲゲゲハウス
その日もゲゲゲハウスには、いつものようにねこ娘とねずみ男がたむろっていた。
「そのケーキは鬼太郎の為に焼いてきたのよ!」
「硬いこと言うなよ、どうせ鬼太郎だけじゃこんなに食べきれねえんだからよ。」
「カビが生える前にオレ様が手伝ってやろうってんだ。エコだよエコ。」
「何言ってんのよ。あんたはカビが生えてたって平気じゃない!!」
「だいたい、味わかんの?!」
特に変化の無い、いつもの二人の会話に鬼太郎は平和を感じながら、ねこ娘の焼いてきたケーキを切り分けて、紅茶の用意をすませた。
「さあ父さん、お茶の用意が出来ましたよ。ねこ娘が焼いてくれたケーキを食べましょう。」
「お〜、うまそうじゃな、早速いただくとするかの。」
「ねこ娘とねずみ男もいっしょにどうだい?」
「は〜い♪♪♪」

「おおっ、うまそうだなぁ。」
そのとき入口にひょっこり顔を出したのは、蒼坊主である。
「おお?どうした蒼、突然じゃな。」
「おっといけねえ、お久しぶりですおやじさん。」
「こっちに来るという手紙も来てなかったが・・・・・。」
「すみません。手紙は出したんですが、急な用事で呼子に頼んで横丁に来たんです。」
「ほう、で・・・急な用事とは・・・・・?」
「他でもねえ、目玉のおやじさんにちょッくら預かってほしい妖怪がいるんです。」
「妖怪を預かるぅ?!」
そう叫んだみんなの頭の中には、アマビエの姿が浮かんでいた。
「・・・・う〜ん・・・・それはかまわないが、預かる妖怪とは・・・・また・・・・。」
「おいっ、 天! 碧! こっちへ来て挨拶をして・・・・。」
「はいっ 父上!!」
そう言って入ってきたのは、青い着物を着た7,8歳くらいの2人の小坊主だった。
「蒼天坊主です。」 「紺碧坊主です。」
「よろしくお願いします!!」