
礼儀正しく2人並んで下げた頭には、蒼坊主と同じちいさな角が生えている。
「蒼兄さんの子供!!!?」
「おおっ、蒼天、紺碧、お前たちが生まれたとき以来か、早いもんじゃな・・・すっかり大きくなって。」
「ええっ、父さん知ってたんですか?」
「おやっ、言ってなかったかの・・・・・。」
「はじめまして、目玉のおやじさん。・・・・鬼太郎おじさん?」
「それはねずみ男だよ、僕が鬼太郎だ。」
「はじめまして、ねずみのおじさん。はじめまして、ねこ娘のおば・・・・・おねえさん。」
そのとき、ねこ娘の口元がピクリと動いたのに二人は気付きあわてて言い直した。
どうやら現代っ子らしく、空気は読めるらしい。
「よろしくお願いします!!」
二人におじさんと呼ばれた鬼太郎は、呼子におじさんと呼ばれている蒼坊主に近づけたような気がして、少しうれしかった。
「ええっかわいー、蒼さん結婚してたんだぁ。」
「へへっいやーっ・・・・まあね。」
「そうじゃ、のり子さんは元気かの?」
「はい、元気にしています。実はのりちゃんと話をして、そろそろ2人と修行に出る準備をしないといけないなってことになったんですが。」
「ええっのり子さんってあの時の・・・・やっぱりあれだったのねーっ。」
ねこ娘のテンションが一気に上がった。目がきらきらしている。
「へへっところが2人とも今のところオレやのりちゃんに寄ってくる、少数の妖怪しか見たことがねぇ、それで少しの間妖怪横丁に預けちゃあどうかってことになったんで・・・・・・。」
「おおっそれはいい考えじゃな、ここなら普段は見えない妖怪も横丁の強い妖気の力で見ることが出来る。うーむ、この際じゃわしが時間のあるときに、いろんな妖怪について教えてやろう。」
「おーっ、そいつぁありがてぇ。実はさっき黒鴉から急に手伝ってほしい仕事ができたって連絡があってすぐに出かけなくっちゃならねえんだ。」
バサッバサッ・・・・・・・・そのとき入口の外に一羽の巨大な鳥が舞い降りてきた・・・・・・。
「・・・・・おおっ?・・・・・
八咫烏じゃないか、おぬしがここに来るなんて、何百年ぶりかのー??」
「ひさしぶりだな、目玉のおやじ。なあにただの気まぐれだ。」
「八咫烏・・・・・・。」
蒼坊主は、8年ほど前この妖怪にあった事を思い出した。